ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ある一生、ふたごのミーとユー―忘れられない夏―、メイ・ディセンバーゆれる真実
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ある一生』“Ein ganzes Leben”
オーストリア・ウィーン生まれの作家ローベルト・ゼーター
ラーが2014年に発表。世界の40言語に翻訳されてドイツ語圏
だけで 100万部以上を売り上げ、2016年の国際ブッカー賞の
最終候補にもなった小説の映画化。
物語の始りは20世紀の初頭。オーストリア・アルプスの山間
の村に1人の孤児の少年が連れて来られる。少年は遠い親戚
の家に預けられるが、その家の当主は少年を手ごろな働き手
としか見ていなかった。
そこで少年は厳しい体罰を受けながらきつい仕事に従事させ
られるが、少年は決して弱音を吐くことはなく。それがまた
当主を苛立たせ、折檻の挙句の骨折で片脚を引き摺るように
もなるが、それでもへこたれなかった。
そんな少年の支えは預けられた家の老婆だったが、その老婆
が不慮の事故で死去。その家にいる理由が無くなった少年は
出奔。そこから様々な仕事に就き、それぞれで実績を上げ、
遂には1人の女性を見初めることにもなる。
しかし幸せが長く続くことはなかった。そんな主人公の80年
に及ぶ人生が描かれる。
出演は、主人公を2011年ウクライナ・キーウ生まれで1歳の
時にオーストリアに移住したというイヴァン・グスタフィク
と、ウィーン生まれで本作でバイエルン映画賞受賞のシュテ
ファン・ゴルスキー、それに2005年11月紹介『サウンド・オ
ブ・サンダー』などのアウグスト・ツィルナーが演じる。
他に、オーストリア出身で1991年生まれのユリア・フランツ
・リヒター。2023年5月紹介『ナチスに仕掛けたチェスゲー
ム』などのアンドレアス・ルスト。1987年『バグダッド・カ
フェ』などのマリアンネ・ゼーゲンプレヒトらが脇を固めて
いる。
脚本は1955年ミュンヘン生まれで、2001年製作の『マーサの
幸せレシピ』が世界的な評価を得たウルリッヒ・リマー。監
督は、1966年スイス生まれで同国映画界の革新者と言われ、
2016年製作の『アンネの日記』で多数の受賞に輝いたハンス
・シュタインビッヒラーが担当した。
決して波乱万丈というほどの大げさなものではないが、正に
時代の流れに翻弄され続けた男性の一生が描かれる。それは
成功者でもなく富を掴んだ者でもないが、その人生自体が満
足できる、そんな生涯かもしれない。
最後に主人公が埋葬される瞬間が、彼自身を描き尽くしてい
るようで、何とも感動的な作品だった。
公開は7月12日より、東京地区は新宿武蔵野館他にて全国順
次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社アット・エンターテインメント
の招待で試写を観て投稿するものです。

『ふたごのミーとユー―忘れられない夏―』“เธอกับฉันกับฉัน”
2018年6月17日付題名紹介『バッド・ジーニアス 危険な天
才たち』などの映画会社GDH 559の製作で、1999年を背景
にした中学生の双子が主人公の青春映画。
ミーとユーは顔や体つきもそっくりの一卵性双生児。互いに
得意な科目が異なる2人は、不得手な科目の追試を身代わり
受験で乗り切るなど青春を謳歌していたが…。
その身代わり受験の教室でミーのふりをしたユーは、正解の
答案を見せた男子生徒が気になりだす。しかしその生徒は転
校で姿を消してしまった。
そんな夏休み、両親の都合で母方の祖母が住む田舎で過ごす
ことになった2人の前にその男子が現れる。彼もまた家庭の
都合でその田舎にやってきていたのだ。

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04月21日(日)
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