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On the Production
by 井口健二
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■ゴッドランド、プロミスト・ランド、#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ゴッドランド/GODLAND』“Vanskabte land/Volaða Land”
アイスランドの俊英フリーヌル・パルマソン脚本・監督で、
2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された作
品。同年度の米ア賞に向けたアイスランド代表にも選出され
ている。
背景は、1944年に独立するアイスランドがまだデンマークの
植民地だった19世紀後半の時代。若い宣教師が司教の指示で
布教ため僻地の村に向かうところから物語は始まる。それは
冬が来るまでに教会の建設を終わらせるという期限付きの活
動だった。
それと同時に司教からは「地元に順応しないと、任務は失敗
する」とも諭される。こうして出発した旅だったが、その行
く手には火山の噴火や雪解けの川の増水など幾多の困難が待
ち受けていた。そんな中をデンマーク語の通じないガイドと
共に旅は進むが…。
事故も起き、仲間を失いながらもそれでも何とか村に辿り着
いた宣教師だったが、教会の建設と共に進める村人との交流
や、彼自身の趣味である写真撮影での気遣いなどが、徐々に
彼の精神を蝕んで行く。そして事件が起き、破綻が始まる。
そんな物語が、アイスランドの大自然と四季の移ろいと共に
描かれて行く。
出演は、監督の前々作『ウィンター・ブラザース』に出演の
エリオット・クロセット・ホーヴとヴィクトリア・カルメン
・ゾンネ、2013年10月26日付東京国際映画祭《コンペティシ
ョン部門》で紹介『馬々と人間たち』に出演のイングヴァー
ル・E・シーグルズソン。
他に監督の前作『ホワイト、ホワイト・デイ』に出演のイー
ダ・メッキン・フリンスドッティル。2018年12月16日付題名
紹介『THE GUILTY/ギルティ』などのヤコブ・ローマン。さ
らにそれぞれ舞台で活動しているデンマークのワーゲ・サン
ドとアイスランドのヒルマル・グズヨウンソンらが脇を固め
ている。
撮影はコダックの35oフィルムで行われており、その画角は
1.33:1。しかもその四隅が丸くカットされているという、
監督のこだわりの映像が展開されている。これは多分主人公
が行う写真撮影への思いも込められているのだろう。
ただし映画の巻頭のテロップにある「7枚の写真からインス
パイアされた」というのは史実ではなく創作だそうだ。とは
言え如何にも有りそうな物語の展開にはなっている。そして
その写真撮影の下りが重要なポイントにもなっている。
そんな過酷な自然の中に生きる人間の葛藤が見事に描かれた
作品と言うところだろう。この種の宗教家の話はいろいろあ
るが、大自然との対比がアイスランドという風土の中で最大
限に発揮された作品とも言えそうだ。
公開は3月30日より、東京地区は渋谷のシアター・イメージ
フォーラム他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社セテラ・インターナショナルの
招待で試写を観て投稿するものです。

『プロミスト・ランド』
東北地方の猟師マタギの姿を描いて1983年小説現代新人賞を
受賞した飯嶋和一の原作を、2023年にドキュメンタリー映画
『MATAGI』を発表した飯島将史監督が劇映画デビュー作とし
て映画化した作品。
物語の始りは深夜に車を運転する若者の姿。やがて小屋に着
いた若者も加えて集まった5人のマタギ衆は、会長から「今
年の熊猟は中止になった」と告げられる。しかし主人公とも
う1人の若者は納得できなかった。
主人公は生業として山形県庄内で養鶏業を営んでいるが、祖
先はマタギだったという家系に誇りを持っている。しかし自

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03月10日(日)
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