ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459569hit]

■FEAST−狂宴−、エドガルド・モルターラある少年の数奇な運命、リトル・エッラ、(報告)記者会見:室町無頼
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『FEAST−狂宴−』“Apag/Feast”
2017年6月4日付題名紹介『ローサは密告された』などのブ
リランテ・メンドーサ監督によるフィリピンの社会情勢を背
景としたファミリードラマ?
登場するのは貧富に隔たりのある2組の家族。その金持ちの
一家の息子が車を運転して父親と帰宅中に、わき見で貧しい
一家の父親と娘を撥ねてしまう。そして動転した親子はその
場から逃走してしまう。
こうして家に帰りついた親子だったが、一家を仕切る女主人
は話を聞いて弁護士に相談することを提案、弁護士は自首を
勧める。そこで父親は運転していた息子を差し置いて自首を
決意。刑に服することになるが…。
一方、被害者一家では幸い娘は助かったものの、事故後昏睡
状態だった父親は帰らぬ人となり、収入も失って一家は困窮
状態になる。そこで加害者一家の女主人は被害者の妻を自ら
の邸宅の使用人にして一家を支えることに…。
こうして事故の加害者と被害者の両家が同じ家に住まうとい
う奇妙な暮らしが始まってしまう。
出演は「フィリピンインディーズシネマのプリンス」と呼ば
れるココ・マーティンと、『ローサは密告された』でカンヌ
国際映画祭主演女優賞受賞のジャクリン・ホセ。
そして本作の舞台であるフィリピン・パンパンガ州で知事を
務めたこともあるというリト・ラピッド。それに悪役女優と
して著名というグラディス・レイエス。かなり錚々たる顔ぶ
れのようだ。
映画の途中では女主人と加害者の息子、それに被害者の未亡
人という3人が一つ屋根の下で暮らすことになるが、これが
3人ともその時点で配偶者がその場にいないという尋常では
ない展開。
まあよくこんなシチュエーションを思い付いたものだという
感じだが、これが結構人情味もあってうまいドラマが作り出
されていた。展開からはもっと過激な復讐劇みたいなものも
考えてしまったが、こんな人情劇も良いものだ。
それにしても、劇中に登場する豚を1頭まるまる使ったパン
パンガ州の郷土料理みたいなものがめちゃくちゃ美味しそう
で、これはどこかのフィリピン料理店で再現してくらないか
な。あったら食べてみたいものだ。
公開は3月1日より、東京地区はヒューマントラストシネマ
渋谷他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社百道浜ピクチャーズの招待で試
写を観て投稿するものです。

『エドガルド・モルターラある少年の数奇な運命』
                      “Rapito”
2017年5月28日付題名紹介『甘き人生』などのマルコ・ベロ
ッキオ脚本・監督で、19世紀にイタリアボローニャで起きた
ユダヤ教徒一家の息子を巡る誘拐事件の実話に基づくとされ
る作品。
始まりは1858年6月23日、ボローニャのユダヤ人居住区に建
つモルターラ邸に教皇直属の兵士が押し入り、当時7歳の当
家の息子エドガルドを連れ去る。それはその子が生後間もな
く洗礼を受けたという情報に基づくものだった。
しかしその状況を把握しない両親は息子を取り戻すべく申し
立てを行うが、洗礼が行われたか否かの明白な証拠はなく、
教皇側は洗礼を受けた者にはキリスト教教育を受けさせなけ
ればならないとの決まりに基づき拉致を強行する。
こうしてローマに連れて来られたエドガルド少年は教皇に謁
見し、キリスト教教育が始まるが…。少年は毎夜の就寝前に
シェマの祈りを捧げることを忘れなかった。しかし事態は変
わらぬまま時だけが過ぎて行く。

[5]続きを読む

02月11日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る