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On the Production
by 井口健二
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■PERFECT DAYS、笑いのカイブツ、私がやりました、マリの話、東京遭難、彼方の閃光
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『PERFECT DAYS』“Perfect Days”
カンヌ国際映画祭で役所広司が主演男優賞を受賞したヴィム
・ヴェンダース監督作品。
役所が演じる主人公は、公園などに設置された公衆トイレの
清掃員。下町のアパートで毎朝定刻に起床し、部屋の前の駐
車場の自販機で缶コーヒーを買い、仕事道具を積んだ軽自動
車で首都高を通って山の手の仕事場に向かう。
仕事は2人一組のシフト制になっているようで、同僚の若者
の他愛ない話に応じながらも、彼自身は寡黙に仕事に勤しん
でいる。それは何年も同じことを繰り返しながら続けてきた
ことのようだ。
そして若者が連れて来た恋人と称する女性から、彼が運転中
に聞いている往年のカセットテープに実はプレミアムがつい
ていることを知ったり、隙間に挟まった紙のゲームに応答し
たらゲームが続いてしまったり…。
そんなイレギュラーはあっても普段の生活はいつも滞りなく
完璧な日々が続いているようだ。しかし長らく没交渉だった
親戚の姪が訪ねて来たことで少し物語が動き始める。
共演は田中泯、雑誌モデルで映画デビューの中野有紗、柄本
時生、東京オリンピック閉会式でパフォーマンスを披露した
アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、三浦友和らが脇を固
めている。
脚本はヴェンダースと、電通のクリエイティヴディレクター
で作家、絵本作家でもある高崎卓馬が共同で手掛けている。
なおヴェンダースと高崎はプロデュースも担当している。因
に高崎は映画脚本は2作目のようだ。
映画の展開としては主人公を中心としたエピソード集のよう
な作りで、最近この手の映画を批判してきたものだが。本作
では主人公のキャラクターが明確で、エピソードというより
肉付けのような感覚で全体の物語が展開される。
この辺の作り込みが流石ヴェンダースという感じで、これは
恐らく1987年の『ベルリン・天使の詩』と変わらない、監督
の映画に対する姿勢のようにも感じるものだ。首都高を走る
車の俯瞰など『トウキョウ・天使の詩』にも見えた。
下町から山の手まで、東京が見事に美しく撮られた作品でも
ある。これがヴェンダースの観た東京なのかな。コンプライ
アンス的には気になるところもあるが、映画としては素晴ら
しい作品だ。
公開は12月22日より、東京地区はTOHOシネマズシャンテ他に
て全国ロードショウとなる。

『笑いのカイブツ』
視聴者参加番組への投稿で「伝説のハガキ職人」と呼ばれた
ツチヤタカユキの自伝的小説を、2018年12月23日付題名紹介
『こどもしょくどう』などの足立紳、山口智之の共同脚本、
吉本興業系映像専門学校NFC出身の滝本憲吾の脚本及び劇
映画監督デビューで映画化した作品。
主人公はテレビの投稿番組で連続入選して「レジェンド」の
称号を獲得。さらに芸人出演のラジオ番組でも高い評価を得
て、遂にはその芸人に請われて東京に進出。構成作家として
の道を歩み始める。
しかし元々人間関係が苦手だった主人公は、良いネタは書く
ものの周囲との軋轢に耐えられなくなり、呼んでくれた芸人
の支援はあったものの…。やがてその状況に押しつぶされて
行ってしまう。
それでも、究極の笑いを求めて藻掻き続けることを止めない
男の生き様がスクリーンに焼き付けられる。
主演は2020年3月紹介『ワンダーウォール劇場版』などの岡
山天音。共演は仲野太賀、菅田将暉。さらに2022年11月紹介
『恋のいばら』などの松本穂香、2023年5月紹介『バカ塗り
の娘』などの片岡礼子。そして前原滉、板橋駿谷らが脇を固

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10月01日(日)
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