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On the Production
by 井口健二
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■ロスト・フライト、リアリティ、他人と一緒に住むということ、隣人X疑惑の彼女
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ロスト・フライト』“Plane”
8月紹介『カンダハル−突破せよ−』に続いて登場するジェ
ラルド・バトラー主演のサヴァイヴァル・アクション作品。
舞台となるのはシンガポール発東京経由ホノルル行きLCC
旅客機。機長はベテランで新年初飛行となる機はホノルルに
暮らす愛娘に会いに行くフライトでもあった。そして乗客は
14人、ただしそこには護送中の殺人犯も含まれていた。
そんな旅客機がフィリピン上空で激しい嵐に遭遇。迂回を提
案する機長に本社の指示は燃料節約のため上空を直進せよと
いうもの。その指示に従った機体は落雷を受けて通信機が故
障、計器にも変調をきたしてしまう。
こうしてフィリピン南部の離島に不時着を止むなくされた機
体だったが…。何とか無事不時着したその島は反政府勢力の
過激派が支配する超危険な場所だった。
共演は、2020年3月紹介『SKIN』などのマイク・コルター、
2019年2月紹介『移動都市』などのヨソン・アン、2018年の
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』以降のシリーズに出
演のダニエラ・ピネダ、監督でもあり、2003年11月紹介『ラ
ストサムライ』などにも出演のトニー・ゴールドウィン。
監督は、フランス出身で2009年10月紹介『ジャック・メスリ
ーヌ』などのジャン=フランソワ・リシェ。脚本はスコット
ランドの人気作家でスパイ小説を多く出版しているチャール
ズ・カミング。本作は作家初の長編映画脚本だそうだ。
巻頭の空港のシーンで、娘に電話した機長の台詞に「おばさ
んの手作りハギスは美味しい」という下りがあり、乗り込ん
だ機長は副操縦士から「イギリス人ですか」と訊かれ「スコ
ットランド人だ」という答えにニヤリとした。
「ハギス」はスコットランドの民族料理で、確か1986年の映
画『ハイランダー』でショーン・コネリー扮する騎士がこれ
に言及していた記憶がある。コネリー、バトラー、それに脚
本のカミングもスコットランド人でその心意気のようだ。
因にこの「ハギス」はアメリカには持ち込み禁止だそうで、
「おばさんの手作り」という台詞にも納得した。なお日本も
持ち込み禁止で、以前にイギリス帰りの知人が持ち込もうと
して検疫で没収されたという話も聞いたことがある。
まあそんな蘊蓄も話したくなるような、気軽に楽しめる作品
だった。
公開は11月23日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて
全国ロードショウとなる。
『リアリティ』“Reality”
2017年に起きた実際の事件を、その捜査の際にFBIが記録
した録音に基づいて詳細に再現した実録ドラマ。
登場するのは郊外の一戸建てに住む若い女性。彼女が買い物
から帰って来た時、男性2人が彼女の車に近付き、話を訊き
たいと申し出る。そして2人はFBIの捜査官だと名告り、
家に入る前に屋内をチェックしたいとも告げる。
こうして保護犬と保護ネコを飼っている女性は、2匹を屋外
のケージに入れたり、リードを付けるなどして捜査に協力す
ることになるが…。奥の空き部屋で尋問を受け始めた彼女は
徐々に捜査員の術に嵌って行く。
脚本と監督はニューヨーク演劇界で“超新星”とも評される
新進気鋭の劇作家ティナ・サッター。
出演は、ドラマ『HEROES/ヒーローズ』などのシドニー・ス
ウィーニー。2011年12月紹介『J・エドガー』などのジョッ
シュ・ハミルトン。さらに舞台出身のマーチャント・デイヴ
ィスらが脇を固めている。
本作で映画デビューを飾ったサッター監督はFBIの音声記
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09月24日(日)
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