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On the Production
by 井口健二
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■復讐は私にまかせて、川っぺりムコリッタ、激怒
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『復讐は私にまかせて』
“Seperti Dendam, Rindu Harus Dibayar Tuntas”
2018年9月30日題名紹介『アジア三面鏡 Journey』の一篇を
監督したインドネシアの俊英エドウィンが、同作でも組んだ
撮影監督の芦澤明子を招請して制作した2021年に本国公開の
ヴァイオレンスアクション作品。
時代は1989年、場所はインドネシア・バンドン郊外のボジョ
ンソアン地区。主人公の青年アジョはバイクレースと喧嘩に
明け暮れていた。そんな若者は町の悪徳実業家を叩きのめそ
うと思い立ち、奴が経営する採石場に向かう。
そこで若者を迎えたのは、女ながらに伝統武術シラットを極
めたイトゥンだった。彼女は実業家のボディーガードを務め
ており、2人は死力を尽くした戦いを繰り広げる。そしてそ
れが2人の愛を育む。
こうして愛し会うようになった2人は結婚に漕ぎ着けるが、
アジョには他人には話せない秘密があった。それは彼が子供
の頃のトラウマから勃起不全だったのだ。そのことを聞いた
イトゥンはトラウマの原因への復讐を思い立つが…。
彼女が原因究明のために取った行動が2人の愛に亀裂を生む
ことになる。
脚本監督のエドウィンは2008年の長編デビュー作でロッテル
ダム国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞、次いで2011年の
第2作ではアジア・フィルム・アワード新人監督賞に輝き、
第4作の本作でロカルノ国際映画祭の最高賞を受賞した。
一方、黒沢清監督の諸作や、沖田修一、原田眞人監督作品な
どでも知られる芦澤撮影監督は、エドウィン監督がフィルム
での撮影を希望していると言われて参加を即断。芦澤監督の
伝でコダックフィルムでの撮影が実現したということだ。
物語はインドネシアでのベストセラー小説が原作となってお
り、脚本には原作者も参加しているようだが、映画はアクシ
ョン中心で物語は端折られた感じなのかな。特に後半に登場
する呪術的な部分はもう少し説明が欲しかった。
でもまあ、特に東南アジアの映画ではこのような展開は良く
あることだし、それはそれで了解できないことはないから、
これでよしということになるのだろう。アクションがそれを
凌駕しているとも言えるものだ。
公開は8月20日より、東京はシアター・イメージフォーラム
(渋谷)他にて全国順次ロードショウとなる。
『川っぺりムコリッタ』
2006年1月紹介『かもめ食堂』などの荻上直子監督で2020年
9−10月に撮影され、当初2021年11月に封切り予定だったが
COVID-19の影響などで延期されていた作品が、ようやく今秋
公開となる。
物語の舞台は北陸の石川県。そこに在る塩辛製造工場に一人
の男性が就職する。寡黙な男性は工場の社長の紹介で川沿い
にある長屋風の住宅に入居し、風呂上がりには牛乳を飲み、
一人で米を炊いて食事の準備をするが…。
そこに隣人と称する中年男性が現れ、風呂を借りたいと言い
出す。そして男はずけずけと部屋に上がり込む。その他、長
屋には、女手一つで娘を育てる女性大家や、幼い息子の手を
引いて墓石を売り歩くセールスマンなどもいて…。
やがて主人公の許に封書が届き、そこには彼の生い立ちに関
る行政からの通知が記載されていた。
出演は松山ケンイチ、ムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆。
他に江口のりこ、田中美佐子、柄本佑、緒形直人。さらに薬
師丸ひろ子、笹野高史。そして元「たま」の知久寿焼が出演
と共に主題歌も担当している。
監督は、前作の2016年12月25日題名紹介『彼らが本気で編む
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06月26日(日)
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