ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ドクター・S(時の行路、廓文章、盗まれたC、ロマンスD、プリズン・C、みぽりん、愛国者に、インディペンデント・L、スウィング・K、his)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ドクター・スリープ』“Doctor Sleep”
スティーヴン・キングが1977年に発表したデビュー第3作の
『シャイニング』。1980年のスタンリー・クーブリック監督
映画でも著名なこの物語の、40年後を描いた続編。
主人公は、前作の雪に閉ざされたホテルの中で父親に殺され
かけた少年。彼は死者の霊が見える能力「シャイニング」を
持つが、前作の事件のトラウマでその能力をひた隠しにして
生きてきた。
しかし世界には様々な「シャイニング」を持つ者がおり、一
方でその霊気を吸い取って命を永らえている連中も存在して
いた。そんなグループの一つで「帽子の女」をリーダーとす
る連中がある少女に注目する。
その少女には他人の記憶に入り込み、それを別の相手に投影
する能力があった。そんな少女が、「シャイニング」を持ち
ながら「帽子の女」のグループに拉致され、霊気を吸い取ら
れて殺害された少年の姿を「目撃」する。
そこで少女は精神感応を使って主人公に助けを求めるが…。
父親の影響でアルコール依存症だった主人公がついに立ち上
がり、その道は雪に閉ざされたあのホテルへと通じていた。
そのホテルに「帽子の女」も辿り着く。
出演は、ユアン・マクレガーと、2017年4月紹介『ライフ』
などのレベッカ・ファーガスン。それに子役のカイリー・カ
ラン。
他に、2018年7月8日題名紹介『MEGザ・モンスター』な
どのクリフ・カーティス、2019年3月紹介『レプリカズ』な
どのエミリー・アリン・リンドらが脇を固めている。
脚本と監督は多くのホラー作品を手掛け、2017年Netflixで
キング原作“Gerald's Game”も担当した新鋭マイク・フラ
ナガン。製作総指揮には2017年11月紹介『ダークタワー』な
どのアキヴァ・ゴールズマンが名を連ねている。
キングは以前には自作の続編は執筆しないと宣言していたそ
うだが、本作の原作はその自身の禁を破って2013年に発表さ
れたものだ。
その理由は定かではないが、1980年の映画化に関して不満を
持っていた事実はあるようで、その理由はキングが考案した
「シャイニング」が映画化の中では充分に描き尽くされてい
なかった点にあるとされる。
(★以下には重大なネタバレがあります。ご注意★)
そこで本作では、まず「シャイニング」が前面に登場する。
それは超能力者同士の戦いの様相も呈するが、そこはアメコ
ミ原作スーパーヒーローもののような戦いではなく、もっと
現実(?)に則した戦いとして描かれるものだ。
とは言うものの1980年の作品は、1968年『2001年宇宙の旅』
がSF映画を名画の域に高めたと言われたのと同様、ホラー
映画で名画の誉れも高いもの。そこでフラナガン監督はその
作品に対するリスペクトも忘れてはいない。
本作では後半の雪に閉ざされたホテルに辿り着いてからが、
これは見事に1980年の映画化へのオマージュになっている。
そこでは1980年作のシーンが次々に再現され、それらが主人
公を妨害し、また助ける展開となっているのだ。
この言うなれば原作と映画へのリスペクトの折衷案が、それ
ぞれのファンの目にどう映るかは判らないが、正直に言って
そのどちらにも然程の思い入れのない僕には、実に巧みに作
られた作品に思えた。
そして結末には、本作自身を起源とする大団円が設けられて
いる。これはもう僕にとっては最高と言える展開だった。
(★以下にはさらに重大なネタバレがあります。★)
それにしても本作のユアン・マクレガーにはオビ=ワン・ケ

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11月24日(日)
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