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On the Production
by 井口健二
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■の・ようなもの、IT FOLLOWS、DENKI GROOVE、ボクソール★ライドショー、TOO YOUNG TO DIE、Tokyo Comic Con初開催発表記者会見
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『の・ようなもの の ようなもの』
2011年に急逝した森田芳光監督が1981年に発表したデビュー
作「の・ようなもの」のその後を、森田作品の多くで助監督
を務めた杉山泰一が初監督で描いた作品。因に杉山監督は、
2015年7月紹介『TNGパトレイバー首都決戦』の助監督も
務めている。
物語は、落語家の家に内弟子修行している若者が行方不明の
兄弟子を探して右往左往する前半と、後半ではその兄弟子の
新作落語をものにしていこうとする姿が描かれる。それに師
匠の娘などが絡む青春ドラマ。
主演は、森田監督の遺作となった2012年2月紹介『僕達急行
・A列車で行こう』にも主演した松山ケンイチ。それに北川
景子。さらに伊藤克信、尾藤イサオ、でんでん、内海桂子ら
のオリジナルの登場人物と、森田作品に所縁の俳優たちが脇
を固めている。
昔はよく落語も聞いたし、最近は列車旅も好きな僕にとって
この作品は、物語の前半ではいろいろな列車が登場して森田
監督の遺作を髣髴とさせ、オマージュも感じ取れた。
そして後半では、伊藤の「黄金餅」は過去に名演を聞いてい
る僕には懐かしさの反面物足りなさが募った。しかし松山の
墓前のシーンはそれを補って余りあるもの。これは全編も聞
きたくなった。さすが松山ケンイチと思わせたものだ。
公開は1月16日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード
ショウとなる。
『IT FOLLOWS』“It Follows”
本作が2作目という新鋭監督によるかなり斬新なアイデアの
ホラー作品。
主人公は田舎町の女子大生。ある日行きずりの男と一夜を共
にした彼女は、その男から「それ」を移したと告げられる。
「それ」は凶悪な殺人者で、いろいろに姿を変えて移された
者を殺すまで付き纏うという。また「それ」は他人に移すこ
ともできるが、その移された者が死ぬと元に戻ってくるとい
うのだ。
こうして恐怖の状況に陥れられた主人公は、幼馴染の仲間と
共に対策を練り始めるが…。
「うつす」という言葉には「伝染す」という漢字も充てられ
るが、状況などから何となくエイズのイメージが付いてしま
いそうなので、敢えて「移す」としてみた。
でも、脚本も手掛けた監督にも近いイメージはあるのかな。
そんな誰にでも忍び寄り、伝染ったら逃れられない現代の恐
怖を象徴するような作品だ。
主演は、2014年公開『ザ・ゲスト』でも準主役を張っていた
マイカ・モンロー。因にこの作品は試写を観たが、自分のテ
リトリーではないと判断したので紹介はしなかったもの。し
かしそれなりの秀作だったとは記憶しているものだ。
そして脚本と監督は、2010年に“The Myth of the American
Sleepover”という作品を発表したデヴィッド・ロバート・
ミッチェルが担当した。この監督には今後も注目してよさそ
うだ。
公開は1月8日より、東京はTOHOシネマズ六本木ヒルズほか
で全国ロードショウとなる。
『DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧』
近年は俳優としても活躍するピエール瀧の原点であるテクノ
ユニット「電気グルーヴ」を追ったドキュメンタリー作品。
2013年公開『恋の渦』(2014年1月紹介『愛の渦』の中で言
及)などの大根仁監督による作品だが、実はユニットの片割
れである石野卓球のウィキペディアを観るとほぼ本作と同じ
であって、その辺を実に手際よく纏めた作品と言える。
実際に音楽に疎い僕とってピエール瀧は、電気グルーヴの存
在は知っていたが俳優としての認識の方が強かった。しかし
本作を観てその存在の大きさは認識できた。しかもその存在
の大きさが尋常でないことも良く理解できた。
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12月06日(日)
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