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On the Production
by 井口健二
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■東京アニメアワードフェスティバル2015
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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今回は、3月19日−23日にTOHOシネマズ日本橋で開催された
「東京アニメアワードフェスティバル2015」において上映さ
れた作品について報告する。
“Jack et la mécanique du coeur”
フランスの映画監督リュック・ベッソンが代表取締役を務め
るヨーロッパ・コープで2013年に製作、2014年に本国で公開
された作品。
物語の舞台は19世紀末のエディンバラ。誕生の日があまりに
寒かったために、心臓が凍り付いて生れた赤ん坊ジャック。
しかしお産に立ち会った魔女がその心臓を取り出し、代わり
にカッコウ時計を埋め込んでくれた。
こうして生きながらえたジャックだったが、機械仕掛けの心
臓が動き続けるには、いくつかの決まりごとを守らなければ
ならなかった。それは時計に触らないこと。怒らないこと。
そして、恋に落ちないこと。
でも、若者へと成長したジャックが街角で歌い美しい少女と
出会った時、ジャックは自らの運命に立ち向かわなければな
らなくなる。そして少女の後を追って、ヨーロッパ中を駆け
巡る冒険が始まる。
そこにはフランス映画の開祖ジョルジュ・メリエスも関って
正しく夢とロマンに溢れた物語が展開される。
原作、脚本、監督(共同)は、フランスのシンガーソングラ
イターのマティアス・マルジュー。原作は2007年に発表され
た小説で、同年に音楽アルバムも発表されているようだ。そ
して本作で彼は主人公の声も担当している。
なおもう1人の監督にはディジタルFXアーティストのステ
ファン・ベルラという人が参加している。
メリエスとの絡みの部分では、彼の映画の再現なども登場し
てファンの目を楽しませるが、フランスの映画人にとっては
2011年12月紹介『ヒューゴの不思議な発明』でマーティン・
スコセッシに先を越されたという思いもあるのかな?
物語のメインはそこにはないのだけれど、かなりのシーンを
費やしてメリエスの存在を描いている感じはした。またそれ
が作品全体のノスタルジーにもうまくマッチしているのは良
い感じのする作品だった。
ただまあ、ヨーロッパ映画に特有の雰囲気や流れみたいなも
のもあって、それがハリウッド風の能天気でないのは仕方な
いのだけれど、観終えて切なさが残るのは、何となく悔しく
なってしまうところだ。
ヨーロッパ・コープの作品は、日本には株式会社ヨーロッパ
・コープ ジャパンも設立されているものだが、本作の公開
については未定のようだ。
“Lisa Limone ja Maroc Orange: Tormakas armulugu”
2014年の「アヌシー国際アニメーション映画祭」でも上映さ
れた2013年エストニア製作のパペットアニメーション作品。
主人公は苦しい生活の続く祖国を小さなボートで逃れてきた
オレンジの若者。しかしそのボートが難破し、ようやく辿り
着いたのは温暖な南の国だったが…。
その南の国でトマト農園に雇われた主人公は農園主のレモン
の娘に恋をする。一方、苦しい暮らしが一向に向上しないオ
レンジの労働者たちは、遂に農場主に反旗を翻す。
上映前に監督の挨拶があったが、作品の中では複数の言語が
使われており、それらの意味合いと全体をミュージカル仕立
てにしている点を楽しんで欲しいということだった。
と言われても、字幕で鑑賞する僕らにとってはなかなか難し
いところもあるもので、結局は字幕を頼りに映像を解釈して
そこからいろいろと考えるしかなくなってしまう。
その点で言うと、この作品はメッセージに対して生硬すぎる
かな。監督の言によるとこれはヨーロッパで起きている現実
に則したものということだが。
特に肌が滑らかで色の薄いレモンが圧制者で、色が濃く肌も
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03月29日(日)
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