ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459965hit]

■奴隷区/僕と23人の奴隷、歌舞伎町はいすくーる、ポリス・ストーリー レジェンド、ホドロフスキーのDUNE+Oscar
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『奴隷区/僕と23人の奴隷』
スマホで1660万ダウンロードを記録したという岡田伸一原作
の映画化。
主人公はフリーターの女性。知能レヴェルは高いがそれを持
て余し毎日を退屈に送っている。そんな彼女の許に生き別れ
だった双子の弟が現れ、SCM(Slave Control Method)と
いう器具の存在を教える。
それはネットで密かに販売され、装着した者同士が勝負して
勝者は主人となり、敗者は奴隷になるというもの。そして弟
は、「凶悪な連中に支配されている奴隷を救出する目的」と
して彼女に協力を要請する。
SCMのルールでは、主人同士が勝負すると敗者となった側
の奴隷も勝者のものとなり、勝者である主人は奴隷を解放す
ることもできるのだ。そこで弟は姉の知能を借りて23個全て
の主人となり、全員の解放を目論んでいたが…
出演は、2005年4月紹介『HINOKIO』が初主演だった
本郷奏多と、昨年8月にAKB48を卒業した秋元才加。他
に「王様のブランチ」リポーターの大沢ひかる、元戦隊ヒー
ローの山田裕貴、現仮面ライダーの久保田悠来。
さらに「キングオブコント2013」優勝者のかもめんたる、劇
団主宰者且つお笑い芸人で2007年10月紹介『全然大丈夫』で
も印象を残していた鳥居みゆき、それに斉藤洋介らが脇を固
めている。
脚本と監督は、三池崇史監督の2001年作品『殺し屋1』の脚
本も手掛けている佐藤佐吉。共同脚本に2008年11月紹介『大
阪ハムレット』などの伊藤秀裕が名を連ねている。
試写状に書かれた内容紹介を読んで、最近流行りの「バトル
ロワイヤル」物かなという印象だった。まあ実際もその通り
なのだが、テーマは殺人ではないし、多少仕掛けが面白かっ
たり、主人公の正義感がそれなりに筋が通っていて、映画と
して楽しむことはできた。
ただ後半のマスターが登場してからの展開は、本来のSCM
の機能とも異なるものだし、これを先の読めない展開という
にはちょっと違和感も感じてしまう。ここはもっとSCMの
機能を活かした展開に持って行けなかったものか?
その辺の構成力の弱さは、最近観た他の日本映画でも感じた
が、これでよしとするスマホ世代(若者だけではない)には
多少危機感も覚えるところだ。多分どんどんページをめくれ
てしまう読み方では、後戻りも面倒でこうなるのかな。
折角の面白いアイデアなのに、何か全体的に活かし切れてい
ない感じで、それはもったいない感じもした。原作には続編
もあるようだが、そこではさらに壮大な世界が構築されてい
ることを期待するし、その映画化も期待したいものだ。
公開は6月28日より、東京は新宿バルト9ほかで全国ロード
ショウとなる。

『歌舞伎町はいすくーる』
もとはしまさひで原作「定時制歌舞伎町高校」を2012年10月
紹介『北のカナリアたち』などの那須真知子の脚本、2012年
9月紹介『黄金を抱いて翔べ』の特機指導などを手掛けてい
る軽部進一の監督で映画化した作品。
主人公は不動産売買で成功し「歌舞伎町の帝王」と呼ばれる
若者。しかし不満げな彼は新たな刺激を求めて高校入学を思
いつく。そんな彼が入学したのは「定時制歌舞伎町高校」、
そこには歌舞伎町に暮す奇妙な連中が集まっていた。
そこで主人公は手始めに不良に絡まれていた同級生を助ける
が、主人公と同じくその日に初登校した同級生は、11歳から
9年間の植物状態から回復したばかりと言い、さらに学校が
異星人に侵略されていると騒ぎ出す。
一方、主人公はキャバクラで働きながら学校に通う美少女に
想いを寄せるが、彼女から2つの意味深な謎々を出題されて
しまう。そして校内でいろいろな出来事が起こり、同級生の

[5]続きを読む

03月09日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る