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On the Production
by 井口健二
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■クジラのいた夏、ギャロウ・ウォーカー 煉獄の処刑人、そこのみにて光輝く
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『クジラのいた夏』
2007年1月紹介『キトキト!』、昨年2月紹介『旅立ちの島
唄〜十五の春〜』などの吉田康弘監督による地方に住む若者
を主役にした青春ドラマ。
吉田監督の作品ではもう1本、昨年公開『江ノ島プリズム』
もあって、その作品の試写は観られなかったが、共同脚本が
1985年『星空のむこうの国』などの小林弘利によるファンタ
シー作品ということだったので、映画館に観に行った。
従って、僕は吉田監督の作品を全て観ていることになるが、
いずれも都会でない場所に暮す若者たちの姿を優しいタッチ
で描いた作品と言えそうだ。そんな吉田監督が、デビュー作
以来となる富山県を舞台にした作品。
主人公は都会の生活に憧れている若者。仲間は住職の息子や
町工場の社長の息子など、地元にそのまま居着いてしまうこ
とが決まっているような連中で、その中で取り敢えず大学に
行ったものの挫折した主人公はちょっと浮いている。
しかしその町で生まれ育った主人公には、初恋や片思いの思
い出など柵も多い。そして彼には両想いだったが都会に旅立
つ時に引き止められなかった彼女への思いもあり、都会への
憧れにはその彼女との再会の夢もあるようだ。
そんな彼のために仲間たちは「大送別会」を開いてくれるの
だが…。それは彼の故郷への思いを断ち切らせて、首尾よく
彼を都会に送り出すことができるのか?
出演は、2012年5月紹介『スープ』などの野村周平、2010年
3月紹介『ソフトボーイ』などの松島庄汰、さらに昨年9月
紹介『僕たちの高原ホテル』などの浜尾京介、ボーカルユニ
ット「サーターアンダギー」の松岡卓弥。
他に、テレビ『梅ちゃん先生』などの土井玲奈、CM「麒麟
ZERO」などの気谷ゆみか、2010年7月紹介『nudo』
と『神様ヘルプ!』などの佐津川愛美らが脇を固めている。
僕自身は神奈川県平塚市の生まれで、約60km離れた東京には
中学生の頃から1人でロードショウ映画を観に通っていた。
それは当時は洋画は全国一斉ロードショウもなくて地元での
上映は数ヶ月遅れだったから仕方なかったものだ。
従って本作の主人公たちの持つ東京への憧れというのには、
今一つピンと来ないのだが、最近北関東を題材にしたテレビ
番組でその地域の若者が東京デビューの前に柏や大宮で慣す
という話を聞いてそんなものかとも思っていた。
しかしそういう気分からすると、富山から東京に来るという
のは一大決心なのだろうし、そんな主人公の背を押すかそれ
とも引き止めるのかという仲間たちの心情にもかなり熱いも
のを感じてしまう作品だった。
ただしそれを決して重くなく、はっきり言ってかなり呆気に
取られるような展開も含めて、優しい眼差しで描いているの
も本作のポイントと言えそうだ。
公開は5月3日より、シネマート新宿・心斎橋ほかで、全国
順次ロードショウとなる。
『ギャロウ・ウォーカー 煉獄の処刑人』“Gallowwalkers”
2005年2月紹介『ブレイド3』などのウェズリー・スナイプ
スの主演で地獄から蘇った亡者と戦う男を描いたアクション
・ファンタシー作品。
物語の舞台はアメリカ西部開拓時代の荒野。スナイプスが演
じるのは孤高のガンマン。彼は最愛の恋人を悪党一味に殺さ
れ、その復讐を果たすが自らの命も絶たれる。ところが彼の
母親がそれを悲しみ、神と契約を結んで彼を復活させる。し
かしそれは彼に殺された相手も復活させるものだった。
こうして主人公には殺した相手が復活するという呪いが掛け
られ、その復活した奴らは彼への復讐の念に燃えている…と
いう悪循環で、主人公と悪党どもの果てしない戦いが続くこ
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02月23日(日)
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