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On the Production
by 井口健二
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■恋する輪廻、逃走車、天使の分け前、ひかりのおと、ダーク・タイド、ブラインドマン+DVDマガジン記者会見、ナンバーテンブルース追記
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『恋する輪廻』“ओम शांति ओम”
昨年3月にも『ロボット』を紹介したインド特有のミュージ
カル作品。
物語は、ボンベイの映画産業(ボリウッド)を舞台にした2
部構成もの。
その前半の時代は1970年代。1人の駆け出しの俳優が憧れの
大女優の目に留まろうと必死になり、ある活躍から女優と話
をできるようになる。ところがある夕暮れ、女優の後を付け
た彼はとんでもない事件に巻き込まれてしまう。
それから30年、ボリウッドは新たな青春スターの誕生に沸い
ていた。ところがある日、彼は不思議な体験から自分が非業
の死を遂げた脇役俳優の生まれ変わりであることに気づく。
それは30年前に中止された映画の製作に絡んでいた。
そこで彼は、中止後に行方不明となった大女優の謎を解くた
め、その作品のリメイクを開始するのだが…。そんな30年の
時代を隔てた因縁の物語が、華やかな歌と踊りに彩られて展
開されて行く。
インド製のミュージカル映画では、1998年に『ムトゥ 踊る
マハラジャ』が日本公開されて話題になったことがあるが、
その後は徐々に下火になっていた感じだ。大体1本の上映時
間が3時間近いと、興行も難しかったと考えられる。
そんな中で昨年の『ロボット』は、『ムトゥ』と同じ主演者
によるものだったが、試写の行われたのが短縮版だったのに
加えて、SFとミュージカルの融合は、正直に言って難しさ
を感じさせたものだ。
それに対して本作では、まず物語の主題が恋愛ものであり、
そこにファンタスティックな味付けがされると、歌と踊りが
登場してもほとんど違和感はなかった。さらに本作は映画製
作のバックステージでもあるから、歌と踊りはあって当然と
いう感じにもなっていた。
そんな訳で映画は気持ちよく楽しませてもらえたし、さらに
ファンタスティックな展開には嬉しくもさせて貰えた。まあ
この因縁話は目新しいものではないが、こんな風に華やかに
描かれると、それなりに面白く観られたものだ。
出演は、「キング・オブ・ボリウッド」とも称される人気ス
ターのシャー・ルク・カーンと、本作が出演2作目のディー
・ピカー・パードゥコーン。因に本作は2007年の作品だが、
男優は1965年生まれ、女優は1986年生まれだそうだ。
監督は、舞踊監督として80本以上の作品歴があるという女流
のファラー・カーン。監督は2作目だが彼女の業績を慕って
映画の途中には数多くのゲスト出演者がいるようだ。また、
エンディングには彼女自身も含む映画のスタッフも画面に登
場している。
インド製のミュージカル作品では、一昨年の東京国際映画祭
で『ボリウッド〜究極のラブストーリー』という、その歴史
を綴ったドキュメンタリーが上映されたが、特有のスタイル
の中にも常に進化は指向されているようで、今後もその歴史
は続いて行きそうだ。
『逃走車』“Vehicle 19”
『ワイルド・スピード』シリーズのポール・ウォーカーが、
主演と製作も兼ねるカーアクション作品。
物語の舞台は南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。世界で最
も危険な都市とも言われるこの街で、1人の男の命を張った
逃走劇が開幕する。
主人公は、ヨハネスブルグの空港に着いたばかりの男。何か
事情があるらしく、携帯電話で妻に連絡を取りながら空港で
レンタカーを借りて妻の許に向かおうとする。しかし指定さ
れたナンバー19の車両の車種は彼の依頼と違うようだ。それ
でも妻の許に急ぎたい男は、そのまま車を出発させるが…
実はその車にはある秘密が隠されており、それは男を瞬く間
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01月20日(日)
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