ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■東ベルリンから来た女、髑髏城の七人、ブラッド・ウェポン、R2B、スカイフォール、フランケンウィ二ー、青木ケ原+Star Wars/Oscar anim
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『東ベルリンから来た女』“Barbara”
1989年のベルリンの壁崩壊以前のドイツ民主共和国(東ドイ
ツ)を背景にした人間ドラマ。
物語の舞台はバルト海を臨む田舎町の総合病院。主人公は、
東ベルリンの大病院に勤務していたが、西側への移住を申請
したために地方に左遷されてきた女医。そんな彼女には秘密
警察の監視が続いている。
こうして同僚にも心を開かず勤務に就いた女医の許に、矯正
収容施設を逃亡し重態で発見された少女が搬送されてくる。
その少女はダニに咬まれて髄膜炎の恐れがあり、女医たちは
血清を手造りしてそれに対処することになるが…。その一方
で女医は、密かに西側への密航の準備も進めていた。
東西冷戦時代の東ドイツの実態は、今まで映画にもあまり描
かれていなかったような気がする。それはもちろん東側で作
られた作品はあったのだろうが、それが実態を表していたと
は到底思えないものだ。
そして壁崩壊から23年、ようやくその時代を省みる作品が制
作されるようになった。そこには秘密警察や強制収容施設な
ど、その存在は知られていても実態が明らかでなかったもの
や、そんな中でも必死に生きていた人々の姿。それらが外連
もなく描かれた作品。
そしてそこには、愛によって事態に立ち向かう勇気を与えら
れる人間のドラマが描かれていた。
監督は、本作でベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞
したクリスティアン・ペッツォルト。2007年の作品でベルリ
ン国際映画祭5部門を受賞した1960年生まれの俊英が、西側
への脱出の過去を持つ女優の言葉に触発されて作り上げた作
品とのことだ。
主演は、ペッツォルト監督の2007年作品でベルリン国際映画
祭銀熊賞(女優賞)を受賞した2011年11月紹介『ブラディ・
パーティ』などのニーナ・ホス。また2010年9月紹介『白い
リボン』のライナー・ボックらが脇を固めている。
秘密警察の描き方などにはステレオタイプな感じもしたが、
いやはやこれが実態だったということなのか。壁の崩壊から
23年、ようやくそれらの実態が僕らの目にも明らかにされる
ときが来たようだ。

『髑髏城の七人』
2011年4月紹介『薔薇とサムライ』に続く、劇団☆新感線の
舞台を撮影した作品。1997年に初演された同劇団の代表作と
も言われる作品の2011年8月公演の舞台が、ゲキ×シネとし
て公開される。
時は戦国時代。織田信長亡き後の天下統一を目指す豊臣秀吉
は、最後の関東攻めを計画していた。しかしそこに秀吉の計
画を阻止せんとする集団が現れる。その名は関東髑髏党。党
首・天魔王の許に結集した軍団は手段を選ばず、その勢力を
拡大していた。
一方、関東一の色里と言われる「無界の里」では極楽太夫が
権勢を誇っていたが、そこはまた「救いの里」とも呼ばれ、
髑髏党の暴虐を逃れた人々も身を寄せていた。そしてそこに
は、ある因縁に手繰り寄せられた2人の侍や、髑髏党に追わ
れる少女の姿もあった。
こうして「無界の里」に集まった七人の男女が、己が未来を
自らの手で掴み取るため、関東髑髏党の拠点・髑髏城に立ち
向かう。しかしそこには数々の魔の手が潜んでいた。
出演は小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、
仲里依紗。他に、高田聖子、粟根まこと、河野まさと、千葉
哲也らが脇を固めている。演出は、劇団☆新感線主宰のいの
うえひでのり、脚本は中島かずきによる作品だ。
元々1997年初演の作品は、2004年に『アカドクロ』『アオド
クロ』としても上演され、その舞台はゲキ×シネの第1弾、
第2弾として2004年、2005年に公開されている。そのオリジ

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11月04日(日)
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