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On the Production
by 井口健二
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■パートナーズ、Ricky、大奥、君へのメロディー、アイルトン・セナ、アメリア、ガフールの伝説、人生万歳
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『パートナーズ』
1頭の盲導犬を巡っての人々の繋がりを描いたドラマ。
父親の別居&兄の引き篭もりで崩壊しかかっている一家と、
ライヴ中の事故で視力を失ったミュージシャン。そしてワー
キングプアから特別の目標もなく盲導犬の訓練士になった男
性。そんな人々が1頭の犬から繋がりを生み出して行く。
映画の前半では、1頭の盲導犬の誕生までの過程が、子犬の
出産からパピーウォーカー、訓練の模様、さらに盲導犬とし
ての活動の始まりまで、それに関わる人間の営みなども含め
て、かなりのテンポでそつなく描かれて行く。
そして後半では、盲導犬及び視覚障害者自身を取り囲む状況
や盲導犬の引退。またペットとして飼われている犬の現状な
ども含めて、現実の犬と人間との関わりの直面している問題
が、かなり厳しい視線でも描かれている。
盲導犬を巡る作品では、過去に『クイール』や『ベルナのし
っぽ』など、ある意味お涙頂戴的な感動作が作られてきたが
本作はもっと現実的に盲導犬の現状を描いたもので、この種
のテーマもようやくここまで描けるようになってきたと思わ
せる作品だった。
しかも盲導犬誕生までの手順が、ある種のマニュアル的にも
描かれており、それは判りやすく学ぶことのできる作品にも
なっていた。そこには幾度も繰り返される飼い主との別れな
どもあって、特に小学生ぐらいの子供たちにも観てもらいた
い作品だ。
出演は、テレビ『キッズ・ウォー』などの浅利陽介、2004年
『ゴジラFINAL WARS』などの大塚ちひろ、1999年生まれで映
画初出演の近藤里沙。なお2007年に歌手デビューもしている
大塚は、ロックから弾き語りのバラードまで歌唱も披露して
いる。
その他、夏八木勲、熊谷真実、川上麻衣子、村田雄浩、根岸
季衣らが共演。
脚本は、2003年11月「東京国際映画祭」で紹介した『ヴァイ
ブレータ』などの荒井晴彦と、2005年『男たちの大和』など
の井上淳一。監督は、テレビで「火曜サスペンス」などを数
多く手掛けてきた下村優が映画初監督を飾っている。
なお本作は、日本盲導犬協会の全面協力の下、現役の盲導犬
や訓練犬、PR犬など合計30頭の犬たちの出演と、実際の施設
を使っての撮影が行われているそうだ。
『Ricky』“Ricky”
2004年2月紹介『スイミング・プール』や、2007年10月紹介
『エンジェル』などのフランソワ・オゾン監督による2009年
ベルリン映画祭コンペティション出品作品。
実は本作に関しては、2008年3月1日付第154回で製作情報
を紹介しているが、その作品がようやく日本公開されること
になった。その物語は、紹介文でも書いたように、普通の夫
婦の家庭に、ちょっと普通でない子供が誕生する…というも
のだ。
ということで、さてその誕生した子供の普通でなさというの
は…、それは映画を観て戴くこととしたいが、まあこに似た
お話は欧米の映画では過去にもいろいろ名作もあるし、特に
目新しいという感じではない。
ただオゾン監督は、その成長過程も丁寧に描いていて、オゾ
ン監督自身のデザインによるというその育って行く様は、多
少のグロテスクさも加味しながら納得できるように表現され
ていた。特にその色合いは監督の指示だそうだ。
特殊な能力を持った幼児を育てることの大変さは、スティー
ヴン・キング原作の『炎の少女チャーリー』などでも描かれ
ているが、本作ではそれがユーモラスにも展開されている。
しかもそれが現代を背景にしている点では、いろいろと面白
く描かれていた。
なお、主演のアレクサンドラ・レミーは先の紹介時には経歴
が判らなかったが、フランスのテレビでは人気のコメディエ
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09月12日(日)
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