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On the Production
by 井口健二
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■誰かが私にキスをした、カケラ、桃まつり−うそ、17歳の肖像、バッド・ルーテナント、コララインとボタンの魔女:3D(追記)
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお文中の※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『誰かが私にキスをした』
“Memoirs of a Teenage Amnesiac”
2005年11月5日付の「東京国際映画祭2005(コンペティ
ション)」で紹介した『女たちとの会話』(日本公開題名:
カンバセーションズ)のハンス・カノーザ監督の新作。
『女たち…』と同じくガブリエル・ゼヴィンという人の原作
脚本だが、元々はアメリカのハイスクールが舞台だったとい
う設定を、東京のインターナショナルスクールに変更し、掘
北真希、松山ケンイチ、手越祐也、アントン・イェルチンの
共演で映画化した。
主人公は、東京のインターナショナルスクールに通っている
女子高生。学校では年次で作られる写真集の編纂に関ってい
てチーフと呼ばれる存在だったらしいが、ある日、校舎前の
階段を転落、怪我は軽かったが逆行性健忘症で最近4年間の
記憶を失ってしまう。
そんな彼女の最近の記憶は、救急車の中で恋人と称して付き
添ってくれた男性(松山)が話してくれたことだけ…。
そして、退院した彼女は学校に戻ってくるが、4年分のブラ
ンクは、親しげに話しかけてくる同級生や教師がいても、何
もかもが新しい体験となる。そして彼女は、再び付き添って
くれた男性と巡り会うが…彼には秘められた過去があるよう
だった。
そんな彼女には、写真集の編纂で協力者だったという日本人
の男子生徒(手越)や、テニス部の部員で彼女の恋人と周囲
からも言われているアメリカ人の男子生徒(イェルチン)も
いて、彼女の気持ちは彼らの間を揺れ動くことになる。
テーマとなる記憶喪失では、最近はアルツハイマー症との関
係でいろいろなドラマが作られているが、本作の場合は高校
生が主人公。それでも物語の展開は在来りかなあと思って観
ていたら、映画の後半では映像も含めてかなり面白いものに
仕上げられていた。
ただまあ、インターナショナルスクールとは言っても日本が
舞台の作品で、その学園風景などには多少の違和感を感じて
しまうところもないではないが、その辺はある種の無国籍と
いう感じで了解したい。本来ならアメリカのハイスクールに
日本人の生徒がいる感じだろう。
共演は、清水美沙、渡部篤郎、桐島かれん、桐谷美鈴、それ
にジュリア・ロバーツの姪に当るというエマ・ロバーツ。ロ
バーツは2007年版“Nancy Drew”で主演していたようだ。
因に本映画の製作は、2008年1月紹介『結婚しようよ』など
も手掛けた葵プロモーションが担当しており、従って本来の
映画の国籍は日本映画となる作品だ。
なお、20日に行われた記者会見での監督の発言によると、監
督自身が幼少時にシンガポールのインターナショナルスクー
ルに通っていて、そこで頭を打って一時的な記憶喪失の経験
もあるとか。だから本作の主人公には特別な思い入れもある
のだそうだ。
また監督には、日本にインターナショナルスクールがあるこ
とを、日本の観客に知らしめたいという意図もあるそうで、
それなら上記の違和感も仕方がないという感じがした。
『カケラ』
桜沢エリカ原作のコミックス『ラブ・ヴァイブス』を、監督
実績もある俳優奥田瑛二の娘で、ロンドン大学の芸術学部と
ニューヨーク大学監督コースで学んできたという安藤モモ子
が脚色監督した作品。
つきあっている男はいるが心の中に満たされないものを感じ
ている女性と、男性も女性も同じ人間だから…という意識を
持つ女性が巡り合い、夫々に欠けた部分を埋めようとして行
く物語。
主人公のハルは東京で1人暮らしをしながら大学に通ってい
る。そんな彼女にはベッドを共にする男性もいるが、前の彼
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01月24日(日)
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