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On the Production
by 井口健二
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■クリスマス・キャロル、理想の彼氏、THIS IS IT、釣りバカ日誌20、キャピタリズム、いぬばか、ジュリー&ジュリア、2012
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『Disney's クリスマス・キャロル』
“Disney's Christmas Carol”
過去に50回以上も映像化されていると言われるチャールズ・
ディケンズの古典クリスマスストーリーから、今回は『バッ
ク・トゥ・ザ・フューチャー』などのロバート・ゼメキスが
脚色・監督した作品。
物語は原作通りのクリスマス・イヴの出来事、人嫌いで強欲
な守銭奴スクルージの許へ、先に亡くなった共同経営者の導
きで3人のクリスマスの精霊が現れる。その3人はスクルー
ジに過去・現在・未来の彼の姿を見せ付け、それによって冷
たかった彼の心が溶けて行く…というもの。
この物語を今回は、ゼメキス監督が『ポーラー・エクスプレ
ス』や『ベオウルフ』などで培ったパフォーマンス・キャプ
チャーの技術を駆使し、ジム・キャリー、ゲイリー・オール
ドマン、コリン・ファース、ロビン・ライト・ペン、ボブ・
ホスキンスらの出演を得て映像化している。
俳優を、声優だけでなくその演技も取り込んでCGIアニメ
ーション化するパフォーマンス・キャプチャーでは、俳優は
いろいろな役柄に挑戦できるが、今回のキャリーは、高齢の
スクルージの他、各年代のスクルージと、3人の精霊も1人
で演じている。
そしてパフォーマンス・キャプチャーでは、先行の2作品も
3Dの映像が話題を呼んだものだが、今回は特にその映像が
見事に計算されているものだ。
中でも、巻頭少し後のロンドンの町中を縦横無尽に動いて行
く映像はその立体感も素晴らしいもので、無理に何かが飛び
出してくるようなことをしなくても、3Dが堪能できること
が証明されていた。さすが3Dでは一日の長という感じだ。
さらにプロローグでは、原作の挿絵がそのまま膨らんで3D
の映像になるなど、その演出効果も存分に楽しめた。
ただ物語の展開は、原作が常識であることが前提なのか、か
なり端折り気味で、この映画だけではスクルージの心変わり
が充分に描かれているかどうか多少不安になる。でもまあ、
それを補って余りある映像が展開される作品であることは確
かだろう。
クリスマスには最高のプレゼントという感じの作品だ。
『理想の彼氏』“The Rebound”
2人の子持ちで40歳の女性と、24歳でフリーターの男性との
ラヴストーリーを描いた作品。
普通に考えてこのような2人が恋に落ちることは少ないと思
えるが、そんな奇跡の恋物語が見事に描かれる。しかも、そ
の恋愛感情は主に精神的なものであり、そんな精神面が徐々
に進展して行く物語が丁寧に描かれている。
日本映画でもこのような、いわゆる道ならぬ恋の物語は時々
見かけるが、その2人が一体互いのどこを好きでそうなった
のか、理解できないことが多い。その「そうなってしまった
のだから仕方ないだろう」的ないい加減さには、いつも辟易
していたものだ。
それが本作では、実に見事に2人の互いを必要としている心
理が描かれているし、そこに至るまでの経緯も、それは偶然
に掛かる部分もありはするが、実に自然に物語が進展して行
くものだ。
主人公の女性は、サンフランシスコに住んでいたが夫の浮気
を確認してしまい2人の子供を連れてニューヨークにやって
くる。そして彼女は新しい人生を男に頼らず生きて行こうと
心に決めていた。
一方の男性は、24歳になっても親掛かり、コーヒーショップ
の店員をしながら、その店の2階にあるアパートの管理も任
されていたが、そこに彼女と2人の子供が引っ越してくる。
そして最初は、彼女が就活中に子供の世話などを頼まれるの
だが。
この男女を、『シカゴ』でオスカー受賞のキャサリン・ゼタ
=ジョーンズと、『ナショナル・トレジャー』ではニコラス
・ケイジとダイアン・クルガーに振り回される役柄のジャス
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11月01日(日)
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