ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460251hit]

■それでも恋するバルセロナ、お買いもの中毒な私!、アルマズ・プロジェクト、人生に乾杯!、ザ・スピリット、群青
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『それでも恋するバルセロナ』
             “Vicky Cristina Barcelona”
ペネロペ・クルスがオスカー助演女優賞に輝いたウッディ・
アレン監督作品。
1人は結婚を控え、もう1人は自分捜しをしている。そんな
2人のアメリカ人女性がスペインのバルセロナを訪れ、そこ
で前妻と泥沼の離婚劇を繰り広げたばかりの情熱的な芸術家
のスペイン人男性と巡り会う。
このアメリカ人女性を、レベッカ・ホールとスカーレット・
ヨハンソン、スペイン人男性をハビエル・バルデム、その前
妻をペネロペ・クルスが演じている。ホールとヨハンソンは
2006年『プレステージ』でも共演済みだが、4人が正にがっ
ぷり四つに組んだ共演作品だ。
他に、『エイプリルの七面鳥』パトリシア・クラークソン、
『ダーウィン・アワード』ケヴィン・ダン、『近距離恋愛』
クリス・メッシーナらが脇を固めている。
2人のアメリカ人女性は、一方の親戚を訪ねてバルセロナに
やってくる。その親戚の伝で画廊のパーティに出席した2人
は、同じパーティに出席していた男性画家に目を留める。そ
してその後に酒場でも巡りあった2人は、画家から週末旅行
の誘いを受ける。
この誘いにホールが演じるヴィッキーは乗り気ではないが、
ヨハンソンが演じるクリスティーナが賛成し、結局2人はそ
の誘いに乗ることになる。もちろん男性画家の目的は…なの
だが。しかしその旅行は意外な顛末となって行く。
こうしてヴィッキー、クリスティーナと画家、さらにはその
前妻とヴィッキーの婚約者、またバルセロナの親戚らも巻き
込んで、いろいろな人間模様が描かれる。
アレン監督は今回も出演はなかったようだが、2005年にニュ
ーヨークを離れて以来、いろいろなものに興味の目を向けた
楽しい作品が今回も展開されている。
アレンは元々は人嫌いだったように思えるが、この作品では
人間への興味も大きくなっているように感じられる。それが
出演3作目となるヨハンソンのお陰かどうかは判らないが、
アレンにとってニューヨークの束縛から逃れたのは良いこと
だったようだ。
本作では、南欧の明るい風景の中で、見事な人間賛歌が描か
れた。
なお、映画中でクリスティーナは、短編映画を監督したとい
う設定だが、ヨハンソンはこの作品に前後して“New York,
I Love You”の1篇を監督しており、それを反映しているよ
うだ。

『お買いもの中毒な私!』
            “Confessions of a Shopaholic”
最近、日本の若者にも増加していると思われるクレジットカ
ードの使い過ぎによる多重債務者を主役にしたロマンティッ
ク・コメディ。コメディであり、多分に御都合主義の物語で
はあるが、それなりに現実の厳しさも描いている。
ソフィー・キンセラの同名の原作(邦訳題:レベッカのお買
いもの日記1、2)を映画化したものだが、原作者は金融ア
ナリスト出身の作家で、本人の「お買いもの中毒」は直って
いないのだそうだ。
主人公のレベッカは園芸雑誌の記者だったが、ファッション
雑誌に憧れてこっそり面接を受けに行くことにする。しかし
その道筋で衣料品のセールに出くわしてしまい…しかも、彼
女のクレジットカードは、支払いを何枚にも分けなければな
らないほど限度額一杯。
それでも何とか購入して出版社にたどり着いたのだが、すで
に席は埋まった後。それでもファッション誌への踏台になり
そうな金融雑誌の面接を受けてしまう。とは言え、金融のこ
とは右も左も判らなかったのだが…
そんな彼女が、債務の取り立て屋に追われながら成功への階
段を昇って行く姿を、結婚を控えた親友や両親との交流。買
い物依存症脱却セミナーや、雑誌編集長への密かな憧れなど
と共に描いて行く。

[5]続きを読む

03月22日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る