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On the Production
by 井口健二
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■第84回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回は、まず誤報のお話から。
前回クェンティン・タランティーノ監督の次回作として紹
介した“The Ultimate Jason Vorhees Movie”の情報が、全
くの誤報であったことが判明した。
前回紹介した情報の元は、Variety紙のWeb版3月8日付に
報道されたものだったが、噂としては、その数週間前から流
されていたようだ。それがVarietyt紙に載ったということで
一気に大々的に報道されたのだったが、前回のページの更新
を行った直後の3月15日(現地の報道は14日付)に、タラン
ティーノ本人による否定の発言が行われてしまった。
このタランティーノの発言によると、ニューラインからの
打診はあったものの、それにOKをしたことはなく、報道は
全くのでっち上げだということだ。確かに前回の報道では、
ニューライン側の発言はあったが、タランティーノ側の反応
は報告されていなかったもので、多分、ニューライン側の期
待を込めた発言が、そのまま確定情報にすり替わってしまっ
た可能性はあるようだ。
ただ、誤報を擁護する訳ではないが、こういう報道がされ
ることで滞っていた計画が進み出すこともある訳で、ニュー
ライン側の発言には、その面での期待もあったのかも知れな
い。しかしタランティーノ相手では、そういう作戦は利かな
かったという可能性は考えられるところだ。また今回、タラ
ンティーノ側が直ちに否定コメントを出さず、約1週間を置
いたことにも何か意図的なものが感じられるところだ。
因に、タランティーノ本人は、2003年12月15日付の第53回
でも紹介している第2次世界大戦を背景にした冒険活劇映画
“Inglorious Bastards”が、次にやろうとしている作品だ
そうで、戦闘中に最前線の敵陣側に孤立してしまった部隊が
窮地を脱出するまでを描く脚本の執筆を進めているとのこと
だ。そして現在は、この作品の実現に傾注しているために、
他の作品のことは考えられないということだそうだ。
なお“Inglorious Bastards”については、すでにシーン
割りなどの作業は完了していて、次は脚本家を交えて撮影に
用いる撮影台本の作成に取り掛かる段階とのこと。そしてそ
の撮影台本が完成したら、いよいよ製作準備に取り掛かる段
取りのようだ。ただしこの映画の製作は、現状ではミラマッ
クスで行われることになっている。これに対してタランティ
ーノ自身は、前回報告したワインスタイン兄弟の問題では兄
弟側に付くとも伝えられており、それだと製作開始は、兄弟
の離脱が確定する9月以降ということにもなりそうだ。
一方、タランティーノに関しては、2月15日付の第81回で
紹介したジェームズ・ボンド第21作“Casino Royale”を進
めているマーティン・キャンベル監督が、タランティーノに
俳優としてのオファーを出しているとの情報もあるようだ。
まさか未決定のボンド役ということはないだろうが、タラン
ティーノの風貌ならクリストファー・リーも演じたことのあ
るボンドの敵役には面白そうだ。これも期待を込めた情報と
いうことで紹介しておく。
* *
さて、以下はいつもの製作ニュースだが、今回は異様に情
報が多いので、さっさと始めることにしよう。
まずはワーナーから、2004年12月15日付の第77回でも紹介
したDCコミックス原作“Wonder Woman”(ワンダー・ウー
マン)映画化の計画が、公式に発表された。
この計画については、前回にも紹介したように“Firefly/
Serenity”や、“Buffy the Vampire Slayer”(バフィー/
恋する十字架)などのクリエーター=ジョス・ウェドンに、
脚本、監督のオファーがされていたものだが、今回はその起
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04月01日(金)
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