ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460319hit]
■ブルース・オールマイティ、味、女神が家にやってきた、シャンハイ・ナイト、ミッション・クレオパトラ、ボブ・クレイン
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介します。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『ブルース・オールマイティ』“Bruce Almighty”
アメリカではコメディ作品の興行記録を塗り替えたジム・キ
ャリー主演の最新作。
主人公は、軽妙なリポートで人気のニュース番組のリポータ
ー。ところが、狙っていた番組のアンカーになるチャンスを
逃し、自暴自棄になり勢いで神を呪うと、その神が現れて、
ヴァカンスの間の代役を務めることになる。そして最初はオ
ールマイティの力で特種をリポートし、アンカーの席も手に
入れるが…、というハートフルコメディ。
キャリーは、アメリカでは最も安定してヒットの狙えるコメ
ディアンといえる。本作もすでに世界興収で4億ドルを突破
している。日本では『グリンチ』のような例もあるが、あの
場合は原作の認知度の問題など仕方のない面もある訳で、そ
ういう点を除けば、概ね良い成績を残しているはずだ。
そこで本作は、トークギャグからパフォーマンスのギャグ、
VFXのギャグまでいろいろ取り揃えられていて、ギャグ自
体がそこそこ解かり易いし、日本でも受け入れられる部分は
多そうだ。全体もハートウォーミングだし、正月映画には好
適と言える。
ただし、トークのギャグは字幕にするのがかなり困難な感じ
で、多分もっと面白いのだろうと思えるところがちょっと悔
しい感じもする。一方、ただ単純にサプライズゲストによる
ギャグには、予期せずに見て本当に驚かされた。
2001年9月11日から2年が過ぎて、アメリカ人には未だわが
かまりが残っているのだろうが、そんな気持ちをある意味癒
してくれるようなところも、この映画のヒットの要因のよう
な感じもした。神も決してオールマイティではないのだ。
監督は、キャリー主演の『エース・ベンチュラ』『ラーアー
・ライアー』のトム・シャドヤック。共演はジェニファー・
アニストンとモーガン・フリーマン。特に、フリーマンの神
が素晴らしい。
『HELL』“In Hell”
ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の刑務所アクション。
主人公はロシアの製鉄所に技術指導にやってきているアメリ
カ人技師。契約期間の終了まで6カ月となったある日、妻が
レイプ殺人の被害者に…。しかも捕えられた男は、賄賂によ
って無罪となり、怒った主人公は男を射殺して終身刑になっ
てしまう。
こうして主人公が収監されたロシアの刑務所は、正に地上の
地獄だった。そこでは賄賂が横行し、殺人も金でもみ消され
てしまう。劣悪な環境の懲罰房や、所長が友人との賭けに興
じる囚人同士の命がけの格闘技の戦いなど。
主人公は、最初は生き残るために体を鍛えるが、やがて力だ
けでは物事は変化しないことに気づいて行く。
絶体絶命からの脱出劇というのは、ヴァン・ダムやセガール
など格闘技系の俳優には最高のパフォーマンスを発揮できる
テーマだが、あえて戦わないという展開の持って行くところ
は、ちょっと進歩の跡が見られるというところか。
しかしちゃんと最後の戦いが用意されている辺りは、構成も
上手くなったものだ。これもある意味2001年9月11日以降の
作品の感じがした。
エンディングのクレジットでは、やたらとSKIとか、Vで終る
名前が多く、映画の中でもロシア語が巧みに使われていて、
どうやら本当にロシアで撮影が行われたようだが、そこでこ
のようなロシアにとって殆ど国辱のような映画がよく作られ
[5]続きを読む
10月02日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る