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On the Production
by 井口健二
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■ペーパーB、ディアトロフI、アップサイドダウン、イントゥ・ダークネス、アイス、エンド・オブ・W、パニック・マーケット、I・ベルイマン
じられる作品になっていた。また3D効果も突然目の前に浮
遊物が現れるなど、ハリウッド映画より外連もあって楽しめ
る作品だった。
出演は、2006年11月5日付「東京国際映画祭コンペティショ
ン」で紹介した『2:37』(日本公開題名:明日、君がい
ない)や『エクリプス:トワイライト・サーガ』にも出てい
たというゼイヴィア・サミュエル、2010年“Step Up 3D”な
どのシャーニ・ヴィンスン。
さらに昨年4月紹介『フェイシズ』などのジュリアン・マク
マホン、2011年8月紹介『サンクタム』などのアリス・パー
キンスンらが共演している。
監督は、2003年11月紹介『マトリックス/レボリューション
ズ』や、2007年2月紹介『ゴーストライダー』などの第2班
監督を務めたキンブル・レンドール。
なお本作の日本公開では、国民感情に考慮して一部映像のカ
ットが行われている。それは見ていると大体見当がつくが、
日本公開の上映時間は89分、オリジナルはデータベースによ
ると93分となっているからおよそ4分間がカットされたよう
だ。
公開は8月24日から、東京はシネマート新宿他で全国ロード
ショウとなる。
『第七の封印』“Det sjunde inseglet”
『野いちご』“Smultronstället”
『処女の泉』“Jungfrukällan”
2007年に亡くなったスウェーデンの映画作家イングマール・
ベルイマンが1956年、57年、59年に発表し、それぞれカンヌ
国際映画祭の審査員特別賞、ベルリン国際映画祭の金熊賞、
米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した作品がディジタル
リマスターされ、「3大傑作選」として連続上映される。
『第七の封印』は、ペストが蔓延する中世ヨーロッパを背景
とする物語。十字軍の遠征から帰途につく騎士の主人公は、
とある浜辺で死神と遭遇する。しかし騎士は死神をチェスに
誘い、勝負の間は死をお預けとし、主人公が勝ったら解放す
る約束で勝負をはじめるが…。
そこに旅芸人の一座や妻を寝取られた鍛冶屋などが絡んで、
幻想ともつかない物語が展開される。
『野いちご』は、現代を舞台にした高齢の医師の物語。大学
で名誉博士号を受けることになった医師は、自ら車を運転し
て行くと言い出し、居合わせた息子の嫁と共に出発する。そ
の道中ではヒッチハイクの若者たちと遭遇したり、過去の幻
想が現れたりする。
この作品にも幻想的なシーンが頻繁に挿入され、かなり不思
議なムードの漂う作品になっている。
『処女の泉』は、16世紀の森に囲まれた屋敷が舞台。主人公
は教会に寄進するロウソクを愛娘に託し、娘は侍女と共に出
掛けるがその道中で悲劇が起きる。その帰りを待つ屋敷の主
人公と、その屋敷の偶然やってきてしまう犯人たち。さらに
娘を妬んでいた侍女らの葛藤が描かれる。
この作品は全体に漂うムード自体が幻想的で、特に最後に起
きる奇跡が印象的な作品だった。
主演は、『第七の封印』と『処女の泉』が後に『エクソシス
ト』のメリン神父を演じるマックス・フォン・シドー。『野
いちご』は本作の演技で米ナショナル・ボード・オブ・レビ
ューの主演男優賞を受賞したヴィクトル・シェーストレム。
他に、イングリッド・チューリン、ビビ・アンデショーンら
ベルイマン作品の常連が顔を揃える。
公開は7月20日から、東京は渋谷のユーロスペースにて連日
3作品の上映が4週間限定で行われ、以後は全国順次ロード
ショウが予定されている。
06月30日(日)
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