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On the Production
by 井口健二
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■恋する輪廻、逃走車、天使の分け前、ひかりのおと、ダーク・タイド、ブラインドマン+DVDマガジン記者会見、ナンバーテンブルース追記
行きたい」との発言があり、政治的な面はあまり感じさせな
い監督が、さすがに今の政治情勢には危惧を抱いているよう
で、政治不安の時代なのだと改めて感じさせられた。
なお「山田洋次DVDマガジン」は隔週火曜日(第2巻は
1月22日)の発刊で全25巻。1巻に2作収録のものも含め、
1963年『下町の太陽』や1964年『馬鹿が戦車でやって来る』
など全26作が収録されることになっている。
また各DVDには監督インタヴューなどの特典映像も収録
されるようだ。
* *
もう1本、昨年11月に紹介した『ナンバーテン・ブルース
‐さらばサイゴン‐』を再び観る機会が有り、監督のお話も
再度伺えたので、そこで聞いた情報などを紹介しておく。
この作品の一般公開は未だに目処が立っていないようで、
さらに前回紹介の時には期待されていたゆうばり国際ファン
タスティック映画祭での上映も難しくなっているようだ。し
かしそれに替って1月23日から2月3日まで開催されるロッ
テルダム国際映画祭での上映が決定している。
これは2003年に亡くなった深作欣二監督の作品が同映画祭
で上映された際に、その作品の脚本を書いたのが本作の長田
紀生監督だったという伝にもよるもの。そんな上映の輪も少
しずつ広がっているようだ。
映画の内容に関しては前回も紹介しているが、今回の上映
では作品に出演しているきくち英一氏も来場して、上映後の
歓談では思い出話を聞くことができた。
その話によると「映画後半に出てくるの銃撃戦では、最初
に実弾を壁に打ち込んでみたが良い効果が出ずに、結局パウ
ダーを仕込んだ弾着を使った」とのこと。でもこのシーンが
撮影されたフエの建造物は、1993年世界遺産にも登録された
場所のはずで、何とも凄い撮影が行われていたものだ。
また前回にも紹介した女優タン・ランの消息に関しては、
サイゴン陥落後に何度かボートピープルとして脱出を試みた
がその度失敗して連れ戻され、最後は人気女優として政府の
プロパガンダ映画に出演させられ、その作品を持ってアメリ
カにプロモーションで訪れた際に政治亡命をしたとのこと。
これもドラマになりそうな話だった。
なお作品に関しては、僕自身も自分の出来る範囲で各方面
に鑑賞を働きかけており、1月21日に行われる映画ペンクラ
ブ例会での上映にも協力させてもらった。今後も一般公開に
向けて微力ながら協力させてもらうつもりだ。
以上、近況報告も兼ねて書かせてもらった。
01月20日(日)
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