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On the Production
by 井口健二
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■白いリボン、クロッシング、ストーン、海炭市叙景、うまれる、フード・インク、美女と野獣3D+他
とも言える舞踏場のシーンを制作したことでも注目されたも
のだ。
その作品が、今回は『トイ・ストーリー1、2』に続いての
3D化されて再公開されるものだが、本作の場合、元のシー
ンのほとんどはセルアニメーションで制作されていることか
ら、その3D化にも注目が集まった。
その結果は、セルの味わいも残した見事な3D化が行われて
いるもので、それは背景などに書き割り的な印象を持つ人も
いるかも知れないが、セルの味わいという点ではこれがベス
トのものだと言える。
それは、実はエンディングロールの背景で各キャラクターの
見事な3Dの線画が登場していることからも判るもので、技
術的にはもっと完璧な3D化も可能だったものを、あえてこ
の線で留めた。それがセルの味わいを残すという選択だった
とも思われた。
となると、今度は元がCGIで作られた舞踏場のシーンが気
になってくるが、待ち遠しくさえ感じられたそのシーンは、
これは全体が見事な3Dで描かれていた。特に視点がキャラ
クターの周囲を回るシーンにはオリジナルでも感激したが、
今回もその感動は変らなかった。
フルCGIの3Dアニメーションを見馴れてきた目には、ち
ょっと違った味わいも感じられる。それがまたちょっと新鮮
な感じもする今回の再公開と言えそうだ。
なお本編の試写の前に、先日のサンディエゴ・コミコンで上
映された“TRON: Legacy”の7分間のフッテージも3Dで上
映された。
こちらは1982年の作品から約30年ぶり続編と言うことになる
が、前作と同じようなディスクを使ったゲームや、ラインの
イルージョンが美しいバイクなども登場して、前作と同様の
世界がフル3Dで再現されることになりそうだ。
* *
今回は製作ニュースではないが、昨年の東京国際映画祭で
上映され10月26日付で紹介した『牛は語らない/ボーダー』
というスロヴァキアの作品が、来年のアメリカアカデミー賞
外国語映画部門に向けたスロヴァキア代表作品に選ばれたこ
とが報道された。
この作品に関しては、上記の紹介文でも書いたように僕は
不完全な形でしか鑑賞できなかったもので、僕自身もう一度
ちゃんと鑑賞したいとも思っている。何とか本選の候補にも
選ばれて、出来れば受賞して日本公開の道が開かれることを
期待したい。
因にこの作品はすでにチェコのイフバラで昨年開催された
国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀東欧作品にも選ばれて
いるそうで、せめてアカデミー賞の最終候補には残ってもら
いたいものだ。ただまあ、基本的にこの作品はドキュメンタ
リーではないし、外国語映画といってもほとんどせりふは出
てこない作品だったが…。
* *
次回は、休日等の関係で紹介できる映画が少なくなりそう
なので、製作ニュースを少しまとめて報告する予定です。
09月19日(日)
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