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On the Production
by 井口健二
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■パートナーズ、Ricky、大奥、君へのメロディー、アイルトン・セナ、アメリア、ガフールの伝説、人生万歳
監督の手腕には感服した。
なお日本公開は吹き替えが中心になると思われるが、オリジ
ナルの声優にはヘレン・ミレン、サム・ニール、ジェフリー
・ラッシュ、ヒューゴ・ウィーヴィングら錚々たる顔ぶれが
並ぶ。
また、主人公役の声優には、2008年5月紹介『アクロス・ザ
・ユニバース』などのジム・スタージェス、他に、今年4月
紹介『ブライト・スター』のアビー・コーニッシュらが声の
共演をしている。
「純血団」には明らかにナチスの陰が観えるし、作品自体は
戦い(戦争)を描いているものではあるが、そこに人間の姿
がないことで、何か純粋に描かれているようにも観える作品
だった。
『人生万歳!』“Whatever Works”
2005年『マッチ・ポイント』以来、ヨーロッパで映画作りを
続けていたウッディ・アレンが、久しぶりにニューヨークに
戻って発表した作品。しかもアレンの監督作品では40本目の
記念の作品となるようだ。
物語の主人公は、かつてはノーベル賞候補になりながらも、
今ではニューヨークの下町で1人暮し初老の物理学者。その
経歴のせいかかなりの皮肉屋で、いつもブツブツ何かを話し
続けている。その言葉は、実は映画の観客に向けられたもの
だ。
そんな彼の生活に、ある日突然1人の若い女性が迷い込んで
くる。南部出身で子供の頃からミスコンへの出場を続けてき
たという彼女は、しばらく居させてくれと彼に頼み込み、や
むなく共同生活が始まる。ところがあろうことか彼女が彼を
理想の男性と思い込み…。
こうして年齢も知能指数もかけ離れた2人の恋愛物語が始ま
るが、そこに田舎から両親まで現れて話はますます大混乱と
なる。いやその混乱ぶりは、これは映画を観てのお楽しみと
言えるくらいのものだ。
皮肉屋の老人と若い女性との関係には、バーナード・ショウ
だったか、アインシュタインだったかと、マリリン・モンロ
ーの話を思い出すところだが、多分アレンはそんなことも踏
まえて見事な物語を描いている。
しかも本作は、実は1970年代に書き上げていながらお蔵入り
になっていた「幻の脚本」に基づいているのだそうで、正に
アレンに油の乗り切った頃の作品を思い出させてくれる物に
もなっている。
とは言え、アレンの分身でもある主人公の冗舌さは、スタン
ダップ・コメディアン出身のアレンの面目躍如という感じで
もあるが、これをきっちりと演じられる役者というのも大し
たもので、その役は、現代のアメリカコメディ界を代表する
1人とも言われるラリー・デイヴィッドに任されている。
共演は、2003年8月紹介『SIMONE』や2008年5月紹介『アク
ロス・ザ・ユニバース』などのエヴァン・レイチェル・ウッ
ド。他にパトリシア・クラークソン、ヘンリー・カヴィル、
エド・ペグリーJr.らが脇を固めている。
なおアレンの次作は、再びロンドン舞台の“You Will Meet
a Tall Dark Stranger”、続けて“Midnight in Paris”と
いう作品も撮影完了しているようだ。
* *
今回は紹介した映画が多かったので、製作ニュースはお休
みします。
09月12日(日)
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