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On the Production
by 井口健二
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■サイタマノラッパー2、結び目、氷雪の門、バウンティー・ハンター、アムステルダム国立美術館+製作ニュース
未来の電脳社会の様子が描かれる。この作品では、インター
ネットの成立以前の創作でありながら、必ずしもバラ色では
ない未来が電子情報網の展望と共に描かれており、1982年に
公開された映画『ブレードランナー』と共にサイバーパンク
SFの嚆矢とされているものだ。
そしてこの作品にも、過去何度か映画化の計画があったも
ので、ギブスン自身が脚本を担当した1995年『JM』(ナタ
リがストーリーボードを手掛けたとも伝えられている)や、
ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』3部作も、実はこ
の原作の映画化が頓挫して、そこからの派生で製作されたも
のとも言われている。
という2作品の映画化がナタリ監督の手で進められている
ものだが、特に“Neuromancer”に関しては、さらに1986年
発表“Count Zero”、1988年発表“Mona Lisa Overdrive”
へと続く3部作の第1作とも考えられているもので、今後は
それらの映画化も含めて期待が高まる。具体的な計画の進行
はナタリが“Splice”のプロモーションを終えてからになる
と思うが、期待して待ちたいものだ。
* *
以下はドリームワークスの情報を3つほど。
最初は、実はすでに製作が進められている作品で、2006年
『ナイト・ミュージアム』などのショウン・レヴィ監督が、
ヒュー・ジャックマンを主演に迎えて“Real Steel”と題さ
れたロボット物の映画化を準備している。
この作品は近未来を背景にしたもので、ジャックマンが扮
するのは人間に代ってロボット同士が戦う時代のロボット・
ボクシングのプロモーター。実は、彼は人間同士が戦ってい
た時代の最後のチャンピオンだったが…というもの。そこに
父親の真の姿を知りたい主人公の11歳の息子や、ボクシング
のトレーナー、主人公のガールフレンドなどが関って物語が
展開されるようだ。
原作はリチャード・マシスンの短編小説によるもので、現
在はプレプロダクションの状況だが、出演者も続々と決定さ
れている。
続いては、ドリームワークスが“Monsterpocalypse”とい
うミニチュアゲームの映画化権を獲得し、その製作にティム
・バートンが参加するとの情報だ。
このゲームは、ミニチュアの怪獣人形を使って『ゴジラ』
のようなバトルと行うものということだが、果たしてその映
画化は…、やはり『ゴジラ』のような作品になってしまうの
かな? しかもそこにバートンの参画とはなかなか興味深い
作品になりそうだ。
ただしバートンの周囲には、常に大量の計画が発表されて
いるから、本作がどこまで本気で関るものはかは明らかでは
ない。ただミニチュア人形ということでは、先に製作を担当
した今年2月紹介の『9』にも通じるところがあり、もしか
するとその辺の絡みでの製作の可能性もあるかもしれないと
いうところだ。
そして最後に、『T4』『アバター』『タイタンの戦い』
に主演したサム・ウォーシントンが、ライダー・ハガードが
創造した冒険家アラン・クォーターメインを演じる計画が発
表されている。
このキャラクターは、過去には1950年の『キング・ソロモ
ン』でスチュアート・グレンジャー、1980年代にはリチャー
ド・チェンバレンで2作、さらにショーン・コネリーも挑戦
したことがあるものだが、今回は1994年『タイムコップ』な
どのマーク・ヴァーヘイデンがキャラクターに基づく原案を
執筆し、『ハムナプトラ3』などのアルフレッド・ゴーフと
マイルズ・ミラーが脚本を手掛けているそうだ。
ニューヒーローの誕生なるか。楽しみな計画だ。
05月16日(日)
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