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On the Production
by 井口健二
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■ラ・ボエーム、ベンジャミン・バトン、GIRLS LOVE、レスキューフォース、ラーメンガール、へばの、うたかた
口飲むと願いが叶う魔法の水を手に入れた少女は、それを利
用して願望の全てを手に入れて行くのだが…それが必ずしも
自分の幸せでなかったことに気付かされる。
似た感じの話が連続するのは気になったところだが、考えて
みればどの話も願望充足ではある訳で、仕方のない面もある
かも知れない。ただ本作は結末がかなり深刻で、ここまです
る必要が有ったか、ここはもう少しユーモラスに落としても
良かったようには感じられた。
そして最後「震える月」は、急死した母親の遺品を整理して
いた少女が、母宛の差出人未詳のラヴレターを見つけ、そこ
に書かれた再会の場所に母親に代わって行こうとするもの。
物語としては5編の中では一番現実的でもあり、最後を締め
るにも相応しいものだ。
最初の作品でちょっと呆気に取られ、しかも自分の範ちゅう
の作品でもあるので困惑したが、全作をトータルで見ればそ
れなりのテーマも有るようにも受け取れるし、全体的な構成
も考えられていたようだ。
演技も演出も未完成な感じではあるけれど、ファンタシーに
積極的に取り組もうとしていることには好感を持てるし、次
も期待してみたいところだ。
なお本作は、12月13日から15日までの期間限定で、東京・渋
谷区宇田川町のUPLINK FACTORYにて、それぞれスタッフ・キ
ャストの舞台挨拶付きで上映される。
12月07日(日)
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