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On the Production
by 井口健二
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■永遠の魂、タクシデルミア、黄金の羅針盤、恋する彼女西へ、トゥヤーの結婚、アメリカン・ホーンティング、結婚しようよ
リン版『エクソシスト:ビギニング』では神父役を演じたジ
ェームズ・ダーシーも登場する。
脚本監督は、『ダンジョン&ドラゴン』のコートニー・ソロ
モン。また特殊効果を、『エイリアン』や『スター・ウォー
ズ/帝国の逆襲』のニック・アルダーが手掛けている。

『結婚しようよ』
吉田拓郎の楽曲に載せて、中年の父親の家族に対する思いを
描いた作品。
自分自身のフォーク体験でいうと、一番聴いていたのは、高
石、岡林、フォークル、五つの赤い風船の辺りで、拓郎はあ
まり思い入れもないし、歌も本当の代表作しか知らない。で
も、拓郎を中心としたつま恋などが、日本フォークの全盛期
だったことは理解するし、そういったことでは、この物語の
主人公の父親の心情も理解できるものだ。
物語の主人公は、三宅裕司演じる不動産屋の営業マン。郊外
の駅からは少し離れた住宅地の一戸建てに住み、家族は学生
結婚した妻と、大学4年生と2年生の娘の4人。その家では
主人公の決めたルールで、夕食は一家4人が揃って食べるこ
とになっている。その団欒が主人公にとって一番の幸せを感
じるときだ。
そんな主人公が、ある日、帰宅途中の駅前で吉田拓郎を歌う
路上バンドに遭遇。思わず口ずさんでいる姿を若い男に目撃
されてしまう。その男は阪神大震災で蕎麦屋だった両親を亡
くし、叔父を頼って上京後、現在は一人暮しで蕎麦屋で職人
の修業しているという。そんな若者を、主人公は一家の夕食
に招くのだが…
その一家では、長女はすでに春からの就職も決まり、次女は
バンド活動で華やかな舞台を目指している。そして主人公の
思いとは裏腹に、それぞれ夕食に合わせての帰宅が難しくな
ってきている。一方、主人公には職場の第一線から退くこと
が勧められ、主人公は最後に手掛けた老夫婦の家の修繕に腐
心するようになる。
それでも主人公は、夕食には一家4人が揃うことを願い続け
たが…。これに主人公と妻との出会いの話や次女のバンド活
動の様子などが、吉田拓郎の楽曲に載せて織り込まれる。
脚本監督は、『出口のない海』『夕凪の街、桜の国』などの
佐々部清。1958年生まれの監督が、20代の頃から作りたかっ
た作品だそうだ。ただし、元々の構想は拓郎の楽曲だけを使
用した映画というもの。それが、今の監督の心情に合わせて
このような作品になったようだ。
同じような年頃の娘を持つ父親の心情というか、長く勤めた
職場を離れることになった主人公の心情なども、今の自分と
してはいろいろ感じてしまうところではある。しかも妻との
関係なども、思わず納得してしまう作品だった。
50代の男性が、自分の人生を振り返って観るのに良い作品と
思うし、「夫婦50割」は、制度としては去年夏で終了したが
そのまま継続している映画館も多いようで、そんな夫婦で観
るのにも良い映画にも思えた。
出演は、三宅の他には真野響子、藤澤恵麻、中ノ森BAND
のAYAKOの一家に、金子勇太、田山涼成、入江若葉、松
方弘樹。さらに中ノ森BANDとガガガSPが拓郎の楽曲を
熱唱する。
挿入曲は20曲、全曲が拓郎の作品というものだ。特に中ノ森
BANDで、『やさしい悪魔』と『アン・ドゥ・トロア』が
聴けたのは嬉しかった。

01月20日(日)
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