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On the Production
by 井口健二
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■第63回
物語は、ニューヨークで凶暴な浮浪児の少年が保護され、
ケイン扮する精神科医の元に連れてこられたことに始まる。
やがて医師は、少年が街を妖精の世界として見ていることに
気付く。そこでは、高層ビル群が森林となり、通勤者たちは
小人であり、大鬼であり、魔女たちなのだ。
そして心優しいトロールと認識された医師は、少年と共に
少年のトラウマとなっている大鬼の城を求めて、ニューヨー
クの街をさまようことになるというもの。因に、スコット=
トーマスは医師の娘、デヴィートは最近死去した医師の元同
僚という配役になっている。どうやらこのデヴィートの役柄
が物語のキーになりそうだ。
スティーヴン・フォルクのオリジナル脚本から、ミュージ
ックヴィデオ監督のニック・ブランーントが長編デビューを
飾ることになっている。この作品もイギリス/カナダの共同
製作で、撮影はモントリオールで行われるようだ。
* *
もう1本ファンタシーの計画で、昨年11月1日付の第50回
でも報告したスティーヴン・キング、ピーター・ストローブ
共作の“The Talisman”の映画化について、前回報告したヴ
ァディム・ペレルマン監督が降板し、その後を、『ラストサ
ムライ』のエド・ズウィックが引き継ぐことが発表された。
この物語は、アメリカと同じ地形だが魔物の棲む平行世界
との間を行き来できる少年が、不治の病に罹った母親を救う
ため、平行世界にあるタリスマンを求めて、現実世界と平行
世界を行き来しながら冒険の旅を繰り広げるというもの。内
容的にかなり大掛かりな作品になりそうで、ペレルマンには
荷が重すぎると判断されたのか4月末に降板が発表され、た
だちにズウィックの起用となっている。
なお脚本は、『ザ・リング』のアーレン・クルガーが執筆
しており、計画では今年8月からの撮影となっていたが、監
督の交替でこの計画はどうなるのだろうか。因にズウィック
は、『ラストサムライ』でも自ら脚本を手掛けているので、
脚本から手直しとなると、ちょっと時間が掛かりそうだ。
* *
最後に映画の製作ニュースではないが、“Harry Potter”
の原作シリーズの第6巻が今年の9月に出版されるという情
報が流れている。前作の“Harry Potter and the Order of
the Phoenix”は、昨年6月21日に発売開始されたが、この
日は夏至だったということで、今度は秋分の日の9月22日が
有力だそうだ。なお、表紙を飾るイラストもすでに完成して
いるとの情報も添えられていた。前作は本の重さにも増して
物語の重さが大変だったが、全7巻が予定されているシリー
ズではその直前となる今回のお話は、一体どんなものになる
のだろう。映画化の行方と共に気になるところだ。
05月15日(土)
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