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On the Production
by 井口健二
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■ndjc:若手映画作家育成、シー・ラヴズ・ミー(波乗りオフィス、福島は語る、マックイーン、ドント・ウォーリー、新宿タイガー、COLD WAR)
リアのアトリエを経て、再びロンドンの服飾学院に学ぶ。そ
してその卒業制作がファッション誌の編集者の目に留まり、
破格の金額でコレクションが買い取られたことでデビューに
繋がる。ところが彼の繰り広げるファッションショーは過激
なアイデアで賞賛と非難が半ばする。それでもブランドとの
契約を勝ち取るが…。このような出来事が多数のアーカイヴ
の映像と家族らの証言によって綴られる。それにしても映像
テクノロジーを駆使したそのファッションショーの奇抜さに
は、映像を見慣れている僕の眼にも驚きを感じさせた。監督
はイアン・ボノートとピーター・エテッドギー。劇映画の作
家たちのドキュメンタリー初挑戦だ。公開は4月5日より、
東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)
『ドント・ウォーリー』
“Don't Worry, He Won't Get Far on Foot”
(2010年に他界したアメリカの風刺漫画家ジョン・キャラハ
ンの生涯を描いた作品。酒浸りだった男が交通事故で下半身
不随となり、さらに自暴自棄な暮らしとなるが。ある切っ掛
けから自分を憐れむことを止め、自虐も含めた世間に対する
風刺の目で、自己を再生させて行く。在りがちな話でもある
が、散りばめられた鋭い風刺が見事に人間を描き出す。脚本
と監督はガス・ヴァン・サント。2014年に他界した故ロビン
・ウィリアムスが残した企画を、生前相談を受けていた監督
が完成させた。出演はホアキン・フェニックス、ジョナ・ヒ
ル、ルーニー・マーラ、ジャック・ブラック。他にウド・キ
アも登場する。映画前半の字幕に「おっぱい石」とあって、
原語は‘material rock’だったと思うが、前後の台詞から
訳語が違うような気もして、いろいろ調べたが結論は出なか
った。判る人がいたら教えて貰いたい。公開は5月、東京は
新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『新宿タイガー』
(20世紀の時代から繁華街で時折見掛ける奇人の姿を追った
ドキュメンタリー。本人は1948年生まれ、1972年に祭りの屋
台でタイガーのお面を見付け、以降の生涯をこのお面を着け
て過ごそうと思い立つ。収入源は新聞配達。今も早朝と夕方
の繁華街一円に朝日新聞を配っている。余分のお金は要らな
いと言い、仕事以外の時間は、映画と女性と、ロマンと夢に
生きている。そんな彼の生き様と、彼が流れ着いた1970年代
の激動の新宿が、彼自身が語る人生観や周囲の人々の証言と
共に描かれる。実は試写会に本人が来場していて、上映後に
拍手が沸いた。それは彼へのリスペクトと共に描かれた彼の
生き様に感銘を受けたためでもある。素敵な作品だ。監督は
1975年愛知県出身。南カリフォルニア大学で映画制作学科を
卒業。すでに劇映画では映画祭受賞も果たしている俊英の初
ドキュメンタリーだ。公開は3月22日より、東京はテアトル
新宿他で全国順次ロードショウ。)
『COLD WAR あの歌、2つの心』“Zimna wojna”
(2013年『イーダ』でオスカー外国語映画賞を受賞したポー
ランドのパヴェウ・パヴリコフスキ監督が、自らの両親と同
じ名前の男女を主人公に、冷戦下の東欧の男女の姿を描いた
作品。民族舞踊の振興を目的に国家が設立した舞踊団。そこ
に応募してきた女性を音楽家の男性が見初める。しかしベル
リンでの公演中に西側への亡命を試みた男性に女性は付いて
行かなかった。そしてパリで成功した男性は、フランスのパ
スポートを持って再び女性の許を訪れるが…。国際情勢など
が2人の仲を引き裂いて行く。物語は両親の実話とは異るよ
うだが、冷戦に翻弄される男女の姿は見事に描き尽くされて
いる。なお字幕の中で「ワルシャワは東のパリ」という言葉
に引っ掛かったが、前後の状況をよく考えると納得できるも
のではあった。台詞のニュアンスが微妙だったものだ。公開
は6月28日より、東京はヒューマントラストシネマ有楽町他
で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
なお、もう1本『コードギアス 復活のルルーシュ』を見て
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02月10日(日)
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