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On the Production
by 井口健二
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■トモダチゲーム・劇場版、ライフ、ディストピア パンドラの少女、桃とキジ
ドキュメンタリーゆえに判り難いところもあり、出来たらド
ラマ化して事実関係をもっと明白にして欲しいとも思ってし
まった。公開は6月24日より、東京は渋谷シアター・イメー
ジフォーラム他にて、全国順次ロードショウ。)
『海辺のリア』
(2009年9月紹介『白夜』などの小林政広監督が、2010年の
『春との旅』、2013年の『日本の悲劇』に続いて仲代達矢を
三度主演に迎えた作品。シェイクスピアの「リア王」をベー
スに、認知症が始まっているかつては大スターだった男性が
家族に疎まれる悲劇を、末娘との交流を交えながら描く。共
演は黒木華。他に阿部寛、小林薫、原田美枝子らが脇を固め
ている。石川県の海岸を主な背景に、ほぼ出ずっぱりの仲代
と一番多く絡むのが黒木、次いで阿部、原田、小林の順。中
でも黒木の生き生きとした演技が見もので、改めてこの人は
俳優だなあと思わせる。そんなところが楽しめる作品だ。公
開は6月3日より、東京は有楽町スバル座、テアトル新宿他
で、全国順次ロードショウ。)
『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
“Dancer”
(1989年にウクライナで誕生、イギリスロイヤルバレエ団に
入団、2008年に19歳で史上最年少の男性プリンシパルになる
も、2010年に突如自ら意思で退団した天才ダンサーの今日に
至るまでを描いたドキュメンタリー。天才芸術家の奇矯な行
動はいろいろあるし、その理由を探るドキュメンタリーも時
折見掛ける。しかし本作ほどその本質に迫りそれを解き明か
した作品は珍しいだろう。その理由は僕にも理解できたもの
で、同時に彼の苦しみも共感できる。そしてそこからの復活
劇には、ある種の感動さえ生じさせる作品だった。特に終盤
の映像は正に彼の天才ぶりを描き切ったものと言える。見事
な作品だ。公開は7月15日より、東京は渋谷Bunkamura ル・
シネマ、新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ハートストーン』“Hjartasteinn”
(2013年10月26日付「東京国際映画祭」で紹介『馬々と人間
たち』など、近年各地の映画祭を賑すアイスランドからの作
品。主人公は母親と2人の姉と共に暮らす少年。母親は奔放
で、2人の姉も一方は奔放、他方は芸術肌とかなり普通でな
い一家だ。そして主人公の周囲には近所に住む幼馴染の少年
もいた。そんな主人公の生活ぶりが描かれる。アイスランド
が北欧かどうかは意見の分かれるところだが、性に対する奔
放さはスウェーデンなどと同じなのかな。長い冬の続く環境
はこういう文化を生み出すのかもしれない。僕にはその辺の
違いが中々咀嚼できなかったが、理解ある人たちには好評に
受け入れられたようだ。公開は夏休み、東京はYEBIS GARDEN
CINEMA他で、全国順次ロードショウ。)
『めだまろん ザ・レジデンツ・ムービー』
“Theory of Obscurity: A Film About the Residents”
(ファーストアルバムの発表から40年以上が経つのに未だに
素顔が判らないという覆面バンド The Residentsの「素顔」
に迫るドキュメンタリー。と言ってもかなり節度のある作品
で、ファンの夢を砕くようなことはしない。それでも昔から
付き合いのある人たちに丁寧なインタヴューがされていて、
それなりの歴史は判るようになっている。しかもその中には
デビュー当時の素顔で演奏している映像もあるのだが、これ
がひどい画質で…。この画質の劣化はフェイクの可能性もあ
りそうだ。そんなこんなで、音楽には疎くて特別ファンでも
ない僕にも充分に楽しめる作品になっていた。公開は2017年
初夏、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム他で全国
順次ロードショウ。)
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
“The Founder”
(マクドナルドチェーン設立の裏に迫ったドラマ作品。主人
公は厨房機器の営業マン。売れ行きの芳しくない商品に突然
大量の注文が入る。そこで男は大陸を横断、辿り着いたのは
効率の良い販売で客足の途切れない繁盛店だった。その業態
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04月30日(日)
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