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On the Production
by 井口健二
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■奴隷区/僕と23人の奴隷、歌舞伎町はいすくーる、ポリス・ストーリー レジェンド、ホドロフスキーのDUNE+Oscar
        *         *
 最後に、3月3日(日本時間)に発表されたアカデミー賞
の結果を報告しておこう。
 期待の『ゼロ・グラビティ』は、候補になった10部門の内
で監督、撮影、編集、音響効果、音響編集、視覚効果、作曲
の7冠を達成。大方の予想通り、作品と主演女優賞は逃し、
さらにプロダクションデザインを『華麗なるギャツビー』に
拐われたが、最多部門の受賞に輝いた。
 まあ科学考証的にはいろいろ問題のある作品だが、一応は
SF映画の範疇に入る作品がこのように一般映画人の評価を
受けたのは喜ばしいことだ。
 その他では、長編アニメーション賞は『アナと雪の女王』
が主題歌賞と共に受賞。これは正直に言って対抗馬はいない
感じ。それに『ダラス・バイヤーズ・クラブ』の主演男優、
助演男優、メークアップ&ヘアスタイリング賞も、授賞式の
初めにジャレッド・レトの受賞で決まりの感じだった。
 また長編ドキュメンタリー賞は、自分の観た中では『バッ
クコーラスの歌姫たち』と『アクト・オブ・キリング』の対
決と予想していたが、結果はショウビズにより近いと言える
『歌姫たち』でほっとした。なおこの作品にも日系の女性歌
手の姿が描かれていたが、中継の解説では無視された。
 なおこの中継では、カンバーバッチの映像に対してスタジ
オゲストが喋るネタバレの音声が流れるなど散々だったが、
授賞式の演出もショウという点では見栄えがせず、女性MC
の毒舌もピンと来ず、特に途中で宅配ピザが配られるシーン
などは、自らの権威を貶めているようで不快だった。
 正直、わざわざ試写会を休んでまで生中継を観る程でもな
い感じがしてきてしまったところだ。

03月09日(日)
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