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On the Production
by 井口健二
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■未体験ゾーンの映画たち2014、スティーラーズ、僕は友達が少ない、猫侍、ハロー!純一+BEST10
つまり時代劇とは言っても、舞台背景は江戸村がしっかりと
ある訳で、その中で今までと同様のシリーズが作られている
という感じかな。それは作り手たちも手馴れたものになって
いるようだ。
公開は3月1日から、東京はシネマート新宿の他、全国ロー
ドショウとなる。
なお本作の公開は3月1日からだが、実は主演の北村一輝に
はちょうどその1ヶ月前の2月1日にも『KILLERS/キラー
ズ』という主演作の公開がある。その試写は未見だが、本作
の試写の直前に『KILLERS/キラーズ』の記者会見があり、
その強烈な内容に驚かされた。
正しく1ヶ月の差で北村一輝の異なる2面が観られそうで、
それも面白いところだ。
『ハロー!純一』
2011年9月紹介『スマグラー〜おまえの未来を運べ』などの
石井克人監督が、子供たちに映画を観てもらいたいという意
図で、小学生以下は入場料0円で公開する作品。
主人公はちょっと内気な小学生の男子。ガキ大将のいる仲間
とはいつも皆のランドセルを運ばされているが、特にいじめ
という風ではなさそうだ。そして主人公は、憧れの女子から
借りた消しゴムを返せないるのが気掛かりだった。
そんな主人公たちのクラスに、教育実習生だが巻き髪にミニ
スカート、ピンヒールという出で立ちのアンナ先生がやって
くる。その先生は着任早々生徒の前で男のことを延々愚痴る
など、飛んでもない行動で生徒たちを驚かせる。
ところがある日、仲間の1人が万引きを見つかり、怒る店員
をアンナ先生が一緒に謝って収めてくれる。そして万引きの
理由が苦労しているお母さんのためと聞いた先生は、「何か
別の方法でお母さんを喜ばせたら?」と提案する。
そこで知恵を絞った仲間たちは、近所のガレージでバンドを
練習してパーティを開き、お母さんを招待して演奏をプレゼ
ントしようとを考えるが…。
出演は、アンナ先生役に2011年7月紹介『一命』などの満島
ひかり。生徒役を2010年12月紹介『まほろ駅前多田便利軒』
に出ていたという加部亜門、2009年6月紹介『のんちゃんの
り弁』などの佐々木りお、『八重の桜』に出演の大嶋康太、
劇団ひまわりの堀田耀平。
他に、森下能幸、我修院達也、池脇千鶴、津田寛治らが脇を
固めている。なお監督と脚本は、石井克人の他に石井が主宰
する役者養成ワークショップで学んだ芳岡篤史、川口花乃子
が共同て担当している。
映画の始まりに登場する子供たちの口喧嘩のシーンが、大人
の目ではかなりうるさくて参ってしまった。しかし最近試写
の間の移動で地下鉄に乗ると下校の子供たちの会話が正しく
この通りで、これはかなりリアルなものと言える。
そんなリアルさの中に、ある種の子供たちの夢かもしれない
理想の先生と、バンド演奏を成功させるという夢の実現が描
かれ、そこには苦労している母親の喜ぶ姿もあって、これは
理想的な児童映画が描かれている作品だった。
なお満島には、映画の途中で明らかに感動で声を詰まらせて
いるシーンがあって、それだけこの作品に対する思い入れも
感じられたが、さらに「アンナ先生」名義でエンディングの
主題歌まで自分で吹き込んでいる。
実は満島は、元はアイドルグループ「Folder5」の一員で、
2008年11月紹介『プライド』の記者会見では、僕がした質問
に「人前で歌うのは無理」と答えていたものだが、今回主題
歌を歌っているのも作品に対する気持ちなのだろう。
公開は2月15日から、東京は新宿バルト9他、全国のイオン
シネマ、ティ・ジョイ系列ほかの映画館で、小学生以下0円
ロードショウされる。ただし0円は大人同伴の時に限られる
ようだ。
* *
年の最後に、僕のベスト10を選んでおきます。
対象は、2013年に日本で公開されたSF/ファンタシー作品
で、一般映画については割愛します。
1.オブリビオン(4月30日及び5月10日紹介)
2.クラウド・アトラス(2012年12月9日紹介)
3.ブランカニエベス(11月3日紹介)
4.エリジウム(8月20日紹介)
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12月29日(日)
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