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On the Production
by 井口健二
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■ローン・レンジャー、共喰い、おしん、ストラッター、美輪明宏、マッキー、セブン・サイコパス、私は世界の破壊者となった(書籍)
んどされていないのは、やはり本作に物足りなさを感じると
ころだ。

『マッキー』“ఈగ”
昨年3月紹介『ロボット』がインド・タミル語映画でのNo.1
ヒット作、今年3月紹介『きっと、うまくいく』がヒンディ
ー語のNo.1。そして本作はインド東南部テルグ語映画のNo.1
ヒット作だそうだ。
ただし、今回上映されたのはヒンディー語の吹き替え版で、
題名はそのヒンディー語によるもの。テルグ語では“eega”
となる。因にテルグ語版では上映時間が145分のようだが、
今回は125分の国際版で上映された。
主人公はお調子者の貧乏青年。彼は向かいの家に住むマイク
ロ・アーティストの女性に片思い中だが、彼女は恵まれない
子供を助ける慈善家でもあった。そして彼女が寄付を募るた
め、とある建設会社を訪れたことから物語が始まる。
その建設会社の社長は野心家で、かなり悪どいやり口で事業
を拡張していたが、その手口の一つは持ち前にセクシーさ。
それを武器に人妻も籠絡してその夫との契約を取り付けたり
している。
そんな社長が彼女に目を付ける。さらに彼女と主人公との関
係を知った社長は、自ら主人公を殺害してしまうのだが…。
ここで神の配剤か、主人公の精神がハエに宿ることになり、
主人公は非力なハエの身で社長への復讐を試みる。
という物語がCGI−VFXも満載で繰り広げられる。因にインド
はハリウッドのVFX会社も支社を置くCGI−VFXの要であり、
その実力が見事に発揮されている作品だ。しかもヒーローが
小さい分、より精緻なVFXが作品を引き締めている。
出演は、映画監督を目指してアシスタント・ディレクターや
ラジオのDJもしているというナーニ、タミル語映画で大型
新人とされるサマンタ・ルス・プラブ。そしてカンナダ語映
画ではトップ5に入るという人気スターで今回初の悪役に挑
戦したというスディープ。
脚本と監督は、テグル語映画界切ってのヒットメーカーとさ
れるS.S.ラージャマウリ。音楽は従兄弟という血縁で監督
の全作の音楽を担当する一方、インド各地の映画200本以上
を手掛けているというM.M.キーラヴァーニ。インド音楽の
古典からヒップホップまで多彩な楽曲で物語を彩っている。
なお原題に表記したのはテルグ語のeega=英語ではFlyだと
思われるが、これ自体がハエっぽいのも面白いところだ。

『セブン・サイコパス』“Seven Psychopaths”
2008年の長編映画デビュー作“In Bruges”で、いきなり米
アカデミー賞の脚本賞にノミネートを果たしたイギリス出身
マーティン・マクドナー脚本監督による第2作。
主人公はスランプに陥っている脚本家。『セブン・サイコパ
ス』という題名だけが決まった脚本を契約しているが、まだ
1行も書けていない。そんな窮状を見かねた売れない俳優の
友人が、新聞に「サイコパス募集」の広告を出すと…。
一方その友人は、アルバイトで犬の誘拐ならぬ拝借業(拝借
した犬を飼い主に返して礼金を貰う)を手伝っていたが、拝
借した犬が超危険なマフィアのボスの愛犬だったことから、
彼らに追われる羽目に陥ってしまう。
その頃、主人公の脚本家の許にはウサギの抱いた不気味な男
が現れ、男は犯罪被害者の女性を助け、全米で凶悪な連続殺
人犯らを殺しまくった過去を語りだす。そして脚本の執筆に
ある条件をつけて帰っていったが…
主人公の書く脚本の中の世界と現実が入り混じって、何とも
知れない世界が展開されて行く。
出演は、コリン・ファレル、サム・ロックウェル、クリスト
ファー・ウォーケン。その脇をウディ・ハレルスン、アビー
・コーニッシュ、オアルガ・キュリレンコ、トム・ウェイツ
らが固めている。
また、『プレシャス』でオスカー候補になったガボレイ・シ
デペやハリー・ディーン・スタントンら、多彩なカメオ出演
も登場。そして本作でデビューのシーズー犬ボニーは、その
後はCMなどにも出演する人気犬になったそうだ。
実は今回も先に紹介したインド映画で、基本はコメディ映画

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07月20日(土)
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