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On the Production
by 井口健二
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■怪特探、サイレントヒル・リベレーション、フッテージ、アンチヴァイラル、ファインド・アウト、俺俺、私のオオカミ少年、SHORT PEACE
いたというエミリー・ウィッカーシャム、昨年7月紹介『ダ
ークナイト ライジング』に出演のダニエル・サンジャタ。
さらに、昨年3月紹介『ハングリー・ラビット』などのジェ
ニファー・カーペンター、7月紹介『ハンガーゲーム』など
のウェス・ベントリー、1984年『フィラデルフィア・エクス
ペリメント』などのマイクル・パレらが脇を固めている。
『俺俺』
ジャニーズ KAT-TUNの亀梨和也主演によるちょっと不思議な
ドラマ作品。
主人公は、カメラマンを目指していたが挫折した28歳の男。
今は家電量販店で販売員をしているが、職場でも人間関係を
うまく築くことができず、人と関わることが面倒になってき
ている。
そんな主人公が置き忘れの携帯電話を手に入れ、出来心でオ
レオレ詐欺をしてみると、思いの外に上手く行って金が振り
込まれてしまう。ところがその時から彼の周辺ではおかしな
出来事が起こり始める。
その最初は、突然主人公の住まいに見知らぬ女性が現れ、彼
ことを詐欺に使った名前で呼び始める。しかも彼が実家を訪
れると、母親の傍には彼が詐欺に使った携帯電話の持ち主が
いて、母親はその男を息子と認識しているようだ。
そしてその男は主人公に話し掛けてきて、主人公の人格が増
殖していることを告げる。さらにもう1人主人公の人格を持
つ若者が現れ、事態の重大さに気づいた主人公はそれを収束
させる方法を考え始めるが…
そこに謎の女などが出現し、事態は一層危険な局面へと進行
してしまう。
共演は、内田有紀、加瀬亮、キムラ緑子、高橋恵子。さらに
ふせえり、岩松了、森下能幸、佐津川愛美、松重豊、小林き
な子、町田マリー、松尾スズキらが脇を固めている。
題名から予想してオレオレ詐欺が絡むことは考えたが、これ
ほどシュールな作品とは思わなかった。しかも亀梨は、上記
の3人を含め全部で33人の人物を演じているのだそうで、そ
れを映像化したVFXにも感心したものだ。
物語は、星野智幸が2011年に発表し、大江健三郎賞を受賞し
た原作小説に基づくものだが、その映像化にはかなりの困難
が予想されたもので、それを実現したことにも敬意を表した
い。
脚本と監督は、テレビの「タモリ倶楽部」「トリビアの泉」
などの構成作家出身で、2005年『イン・ザ・プール』で監督
デビューした三木聡。監督デビュー作は試写では観なかった
が、他に試写を観た作品は今一つピンと来なかったもので、
今回改めて実力を観せられた感じがした。
またVFXは、2011年12月紹介『アフロ田中』や2010年6月
紹介『ちょんまげぷりん』などを手掛けた大萩真司が担当し
ている。
『私のオオカミ少年』“늑대소년”
韓国で700万人の観客を動員したというファンタシーラヴロ
マンス。
物語は、アメリカで一家と共に暮らす老女性の許に、韓国で
相続した家の売却に関する連絡が届くところから始まる。そ
の家に思い入れがあるらしい彼女は、自ら韓国に赴くことを
決め、空港に迎えに来た孫娘と共にその家に向かう。そこに
は彼女の少女時代の思い出が隠されていた。
それは病気のために何度も引越しをした彼女が、ようやく静
かに暮らせそうだった村での出来事。引っ越して間もなく、
彼女は闇に潜む謎の少年を発見する。その少年は言葉も話さ
ず、行動も人間離れしていたが、それでも世話好きな彼女の
母親によって家族の一員として迎えられる。
そして食事の仕方や服の着方、靴ひもの結び方など、人が生
きて行くうえで必要な事柄を一つずつ教える彼女は、徐々に
少年に惹かれて行き、少年もまた彼女に切ない感情を抱き始
めるが…。少年に隠された謎が暴かれた時、2人の関係に重
大な危機が訪れる。
物語はタイトル通りの狼人間ものだが、その背景は韓国特有
というか、日本が舞台ではなかなか描き難いものが描かれて
いる。その辺が面白いと言えば面白いが、ちょっと安易にそ
の設定が使われ過ぎている感じはしてしまうところだ。その
辺でこれは無いなという感じもしてしまう。
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04月10日(水)
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