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On the Production
by 井口健二
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■桃さんのしあわせ、高地戦、秋瑾〜競雄女侠〜、のぼうの城、ザ・レイド、ウォリスとエドワード+Avengers, Justice League, Jumanji
エドワードが英国王の座を放棄するという最大の犠牲を払う
ことで成就されるが、果たして犠牲を払ったのはエドワード
だけだったのか、シンプソン夫人の方にこそさらに大きな犠
牲が強いられていたのではないか…
そんな長年の疑問に取り付かれたマドンナが、2年の歳月を
かけて執筆した脚本を、自らの監督で描いた作品。それはた
だ単に歴史的な事実を解明するだけでなく、ニューヨークに
暮らす現代女性の姿にも焦点を当て、女性の生き方を問いか
ける作品にもなっている。
その現代の主人公は、人気の精神分析医と結婚して周囲から
も羨まれる生活を送っているが…。以前の勤め先だったサザ
ビーズで開かれるオークションにエドワードとウォリス縁の
品が出品され、その内覧会を見に行ったときから様々な想い
が彼女に押し寄せ始める。
それはいつしかウォリスの想いとも繋がりを持ち、彼女が手
に取った品を通じて2人の心が通じ合う。そしてそこには、
シンプソン夫人の辛く切ない想いも浮かび上がってくる。
その物語が、ファッションブランド・ヴィオネの協力で4着
が複製され、アカデミー賞衣装デザイン賞の候補にもなった
華麗な衣装と、カルティエが協力した数々の宝飾品などに彩
られて展開される。
出演は、2011年4月紹介『エンジェル・ウォーズ』などに出
演のアビー・コーニッシュと、2010年12月紹介『わたしを離
さないで』などに出演のアンドレア・ライズブロー。それに
2004年3月紹介『ドット・ジ・アイ』などのジェームズ・ダ
ーシー、『エンジェル・ウォーズ』のオスカー・アイザック
らが共演している。
映画の中でも、自身で「私は美貌の持ち主ではない」と語る
シンプソン夫人が、なぜエドワードに王位を捨てさせるほど
の恋心を植えつけたのか、それが男性の観客にも容易に解る
ように巧みに描かれた作品。他にも女性ならではと思わせる
シーンもあり、マドンナの只ものでない資質も伺えた。
現在と過去をシンクロさせるなど、かなりトリッキーな作品
だが、それでも解り易くテーマが描かれていることにも感心
した。
        *         *
 今回はお盆で試写会も少なかったので、製作ニュースを少
しまとめて紹介しておこう。
 まずは、すでに今週から先行上映が始まっているが、公式
には来週末に日本公開の始まる『アベンジャーズ』で、続編
“The Avengers 2”の計画が発表されている。その計画は、
前作を手掛けたジョス・ウェドンが再度脚本と監督を担当す
るというもので、全米公開日等は発表されていないが、実は
ウェドンとマーヴェルの契約が2015年6月末に切れるとのこ
とで、従ってそれまでには作られるだろうとのことだ。
 因にマーヴェルからは“Iron Man 3”が2013年5月3日、
“Thor: The Dark World”が11月8日、“Captain America:
The Winter Soldier”が2014年4月4日、未来を背景にした
“Guardians of the Galaxy”が8月1日とそれぞれ年2作
ずつの全米公開日が発表されているが、まだ2015年の計画は
発表がされていないもので、その枠に“The Avengers 2”の
入る可能性は高い。そうなると5月1日の線もあるようだ。
 ただし、アイアンマンのロバート・ダウニーJr.、ソーの
クリス・へムスワース、キャプテン・アメリカのクリス・エ
ヴァンスの出演は可能として、ホークアイ=ジェレミー・レ
ナーとブラック・ウィドー=スカーレット・ヨハンセンの再
演は叶うものか否か。もっとも“Thor: The Dark World”に
ナタリー・ポートマンは出ているようだから、その辺はしっ
かり契約されているのかな。
 一方、ハルクに関しては、再びテレビシリーズで活躍させ
るという計画も進んでいるようだ。元々ハルクは、1980年前
後にビル・ビクスビー、ルー・フェリーノ主演によるテレビ
シリーズが5シーズンも続く人気だったこともあり、今回の
テレビシリーズの案は理解できないものではない。
 ところが今回『アベンジャーズ』でブルース・バナー役を

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08月19日(日)
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