ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460210hit]
■怪談新耳袋・怪奇、TENBATSU、REDLINE、夏の家族、プチ・ニコラ、ソルト+製作ニュース
草の組織が、21世紀の今日に突然牙を剥き、世界を破滅の淵
へと追いやる。その中心にいるのはジョリー扮するイヴリン
・ソルト。果たして彼女は敵か味方か。
ソルトは、石油企業を隠蓑にしたCIAの組織で活動してい
た。その彼女に許に、ロシアのスパイを自称する男が送られ
てくる。そして尋問を行った彼女に、男は訪米するロシア大
統領の暗殺計画を告げ、その襲撃者はソルトと名指しする。
それは、アメリカ国内でのロシア大統領暗殺を引鉄として世
界を混乱に陥れんとするソ連時代からの悪魔の計画だった。
そこでソルトは、警備陣を混乱させてその場を脱出、ロシア
大統領が訪れる現場へと向かうのだが…
そのFBIやシークレットサーヴィスが大挙して警備する現
場に見事に潜入した彼女は、自らの目的を着実に果たし始め
る。それは彼女が悪魔の計画を遂行しているかのようにも見
えた。そして彼女が狙う次のターゲットは?
何でもありの最近のハリウッド映画とは言え、スター女優の
ジョリーが旧ソ連の手先はないだろう…と思いながらも、話
はどんどん彼女を追い詰めて行き、もはや絶体絶命という展
開が1時間40分に亙って繰り広げられる。
脚本は、2003年11月紹介『リクルート』などのカート・ウィ
マー。前の作品もかなりトリッキーなCIA内幕ものだった
が、本作はさらにそれを倍加させた感じのもの。虚々実々の
スパイ活動の中で見事なアクションドラマが展開される。
そして主演のジョリーは、2001年、2003年と『トゥームレイ
ダー』に主演。さらに2005年『Mr.&Mrs.スミス』、2008年の
『ウォンテッド』と次々アクションに挑戦してきているが、
その中でも本作は最高のアクションに挑んでいると言える。
しかもこれまでの作品が、『スミス』以外はゲームの映画化
だったり超能力ものだったり、どちらかと言うと二番煎じの
感じもしたものだったが、今回は正に新趣向満載で、彼女が
『ウォンテッド2』のオファーを蹴ってこちらを選んだのも
判る作品だ。
最近のハリウッドアクションは、どれをとっても荒唐無稽の
オンパレードだが、その中でも本作の仕掛けは抜群、しかも
それを生身の人間の設定で行っているのも新機軸と言える。
これなら観客も納得して観ていられる感じだろう。
もちろん生身の人間では絶対に耐えられないと思われるアク
ションの連続ではあるが、それが何故か納得できて仕舞うと
ころが見事だ。
共演は、2005年5月紹介『コレラの時代の愛』に出演のリー
ヴ・シュライバー、昨年11月紹介『2012』などのキウェ
テル・イジョフォー。監督は、1992年『パトリオット・ゲー
ム』、1994年『今そこにある危機』や2002年10月紹介『裸足
の1500マイル』などのフィリップ・ノイスが担当している。
* *
今回の製作ニュースは新規の情報を中心に紹介しよう。
まずはディズニーから、すでに2008年9月と昨年10月紹介
のアニメーション作品も公開されている妖精=ティンカーベ
ルを主人公にした実写によるロマンティックコメディの計画
“Tink”が発表されている。
この計画は、『スパイダーマン1〜3』や、昨年4月紹介
『ブッシュ』に出演の女優エリザベス・バンクスが、彼女の
盟友とも言える脚本家エリザベス・ライト・シャピロの脚本
に基づいて進めているもので、その内容は秘密にされている
が、バンクスの主演も計画されているとのことだ。
そしてこの計画には、製作者として『17アゲイン』などの
ジェニファー・ギボット、『ヘアスプレイ』などのアダム・
シャンクマン、それに『T4』などのMcGの参加も発表され
ており、ディズニーとしてはかなりの体制で計画を進めてい
るものだ。因に、バンクス自身も昨年11月に紹介した『サロ
ゲート』の製作総指揮を担当しており、ディズニーとはしっ
かりしたパイプがあるようだ。
とは言うものの、幼さが特徴のティンカーベルにローラ・
ブッシュを演じた女優が扮するとは、妖精の国が舞台のアニ
[5]続きを読む
07月25日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る