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On the Production
by 井口健二
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■母なる証明、ピリペンコさんの手づくり潜水艦、僕らのワンダフルデイズ、無防備、犬と猫と人間と、動くな死ね甦れ!+製作ニュース
が、時としてそれが重大な局面を迎えてしまったりもする。
ただし本人にとってそれは他愛ない遊びだったはずのもの。
さらにそこには、守護天使のような少女の存在もあった。
終戦直後の殺伐とした環境の中で、それでもがんばって生き
ていこうとする子供たち。しかしその環境は、子供たちの純
粋な夢も奪っていこうとする。正直に言って、それはどんな
夢だったのだろうかとも思ってしまう環境だが…
戦時中、若しくは終戦直後の混乱期を生き抜く子供たちの姿
を描いた映画は、過去にもいろいろな名作が存在すると思う
が、モノクロームの映像で写し出される本作は、そんな過去
の名作もオーヴァラップさせて感動を甦らせる。
苦しい時代に健気に生きる子供たちの姿は、どんな作品でも
感動を呼ぶことが必至だが、そんな中でもこの作品には、時
代に抗し切れない理不尽さ、悲しさも見事に表現されている
ように思えた。
なお、本作は1995年にも日本公開をされたようだが、今回は
カネフスキー監督が同じ少年少女俳優を主演に迎えた1992年
『ひとりで生きる』、1994年『ぼくら、20世紀の子供たち』
と共に3部作を揃えての再公開が行われる。
それにしても、作品の中で突然「よさこい節」や「炭坑節」
「五木の子守歌」などが聞こえてくると、日本人の観客とし
ては不思議な感覚となる。それぞれの歌が流行歌として定着
したのは第2次大戦後以降と思われるが、映画で流れるのは
元歌ということかな。
        *         *
 今回の製作ニュースはシリーズものの情報から。
 まずはジェリー・ブラッカイマー製作、ジョニー・デップ
主演のディズニー映画“Pirates of the Caribbean”につい
て、その第4作の監督に『シカゴ』でオスカー候補になった
ロブ・マーシャルの起用が発表された。
 この人気シリーズでは、前3作の監督はゴア・ヴァビンス
キーが務めたものだが、前監督には“BioShock”と題された
ヴィデオゲームからの映画化の計画が進められており、第4
作からの降板が発表されていた。と言うより、ハリウッドで
は、シリーズものは3作以上同じ監督が続けるとマンネリに
なるという考えが強いようで、これは当然のことと受け取ら
れている。その辺は同じ監督・主演で何10本も製作してマン
ネリを極める国とは根本的に考え方が異なるようだ。
 撮影は、来年早々に開始の計画となっているもので、これ
には同じブラッカイマー製作、デップ出演で計画されている
西部劇“The Lone Ranger”の前に本作を撮影したいという
製作者側の意向もあるようだ。このため監督の選考も緊急で
行われたものだが、数週間に亘って数多くの監督と面談をし
た結果マーシャル監督の起用が決定された。
 とは言え、アクションアドヴェンチャーにミュージカルが
本職の監督はかなり大胆な感じもするが、元々この作品では
基になったアトラクションでも音楽の要素は強く、映画化の
第1作でも「海賊の歌」が上手くフィーチャーされていた。
仕切り直しとなる本作がミュージカルではなくとも、その感
覚を活かしてもらいたいところだ。
 なお、デップの今後の予定では、凶悪なシカゴギャングに
扮した“Public Enemies”は7月から各国での公開が始まっ
ており(日本公開は12月)、ヒース・レジャーの急死を受け
て急遽出演した“The Imaginarium of Doctor Parnassus”
は10月以降各国で順次公開が予定されている。
 この他に“The Rum Diary”と“Alice in Wonderland”は
すでに撮影完了して来年公開の予定。また主人公の声優を務
める“Rango”が2011年公開予定。さらに出演が噂されてい
る2011年公開予定の“The Man WhoKilled Don Quixote”と
2012年公開予定の“Sin City 3”が準備中となっているが、
これに今回の計画が加わって、スケジュールはどのように調
整されるのだろうか。
        *         *
 次も第4作で“Mission: Impossible IV”の製作が、第3
作を手掛けたJ・J・エイブラムス監督とトム・クルーズの

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08月09日(日)
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