ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460266hit]

■それでも恋するバルセロナ、お買いもの中毒な私!、アルマズ・プロジェクト、人生に乾杯!、ザ・スピリット、群青
と海、そして音楽との関りが描かれて行く。
彼女の母親は高名なピアニストだった。そのピアニストが病
気療養のためにグランドピアノと共に島を訪れる。その演奏
に、1人のウミンチュ(漁師)の男性が心を打たれる。そし
て求愛。2人の間には娘が誕生するのだが…
その年の島には他に2人の男の子が誕生し、3人は兄弟のよ
うに育って行く。やがて思春期、男子の1人は島に残ること
を決意し、他の2人は希望する資格や学問のために島を出て
行くことになる。
ところが、男子の1人が彼女に求愛の歌を贈り、彼女がそれ
に応えることで、島を出て行くのはもう1人の男子だけにな
る。しかし島に残った2人の前途にも、いろいろな出来事が
待ち構えていた。
出演は、娘役に長澤まさみと、父親役に佐々木蔵之介、母親
役が田中美里。そして幼なじみの2人の男子を福士誠治と良
知真次が演じている。
沖縄の美しい海がふんだんに写し出され、その中で波乱に富
んだ愛の物語が展開される。原作はあるようだが、沖縄の美
しい自然を映像で満喫できるのは映画ならではのものだ。そ
んな美しい沖縄で、悲劇とそこからの再生が綴られる。
ただ、物語の展開としては何か物足りない感じがした。それ
は特に後半の陶器を作るお話の部分が唐突で、それ以前に伏
線があった方が良いような感じがしたものだ。他にも、突然
海底から救出されるのも、何時間も素潜りで潜水していたの
か…という感じで、現実との違和感があった。
また、島の恋歌にしても、突然それを出されてもという感じ
がして、全体的に何か描き切れていないように思えた。素晴
らしい背景に流されて観ていても良いのだが、やはり心に残
るのは物語で、それはしっかりと描いて欲しいものだ。

03月22日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る