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On the Production
by 井口健二
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■第161回
その壺が南海の孤島に不時着したNASAの宇宙パイロット
に拾われ、開封されたことから、開封したパイロットを主人
と認めた古代の魔女が最新の科学の粋が集まるヒューストン
に来てしまう。
 こうして、古代ペルシャの魔法と現代科学が共存すること
になるが…オリジナルではこのジニー役を、アーウィン・ア
レン監督の『海底探検』や『気球船探検』にも出演していた
バーバラ・イーデンが演じて、先に映画化された『奥様は魔
女』よりさらに過激なシチュエーション・コメディが展開さ
れていたものだ。因に、当時はイーデンのハーレム風の衣裳
にも人気があった。
 その映画版に新たな脚本家が契約したものだが、実は今回
の契約では、脚本家から映画化に向けた物語の概要が製作者
の許に届けられ、それがジニーのキャラクターを見事に活か
し切ったものだったことから、直ちに契約が行われたとのこ
と。その製作者の1人のシド・ゲインズは、「彼女は、聡明
で、新鮮で、驚くべき方向性をジニーの物語にもたらしてく
れた。それは我々が望んでいた全てのものを網羅していた」
として、そのアイデアを絶賛しているものだ。
 チャーダ監督は既に離れていると思われ、キャスティング
も未定の状況だが、以前の報告の当時には、リンジー・ロー
ハン、ジェニファー・ガーナー、ケイト・ハドスンらがこぞ
って主演を希望し、さらにキーラ・ナイトレーやジェシカ・
シンプスン、ジェシカ・アルバの名前も挙がったもので、今
度はいったい誰の名前が出てくるかも楽しみなところだ。
        *         *
 『ブレイブ・ワン』のニール・ジョーダン監督が、カンヌ
映画祭のマーケットで、新作“Ondine”の製作資金調達に成
功し、7月中旬からの撮影開始を発表した。
 『オンディーヌ』という題名は、日本では劇団四季の公演
でも知られるジャン・ジロドゥの舞台劇が有名だが、今回の
作品はジョーダンのオリジナル脚本によるもの。ただしその
物語は、アイルランド人の漁師が海で魚網に掛かった少女を
救い上げたことから始まり、この少女が水の精オンディーヌ
だったという展開になるようだ。そしてこのオンディーヌの
存在が、漁師自身や彼の住む町の人々を変えて行くというも
のになるそうだ。
 また発表されている配役では、オンディーヌ役をポーラン
ドの新星アリーシャ・バケレーダが演じ、漁師役には“The
Imaginarium of Doctor Parnassus”を撮り終えたコリン・
ファレルが扮することになっている。
 ジロドゥの戯曲は、水界の王との契約など、『人魚姫』に
も似たファンタスティックな要素も一杯の作品だが、そこか
ら想を得たと思われるジョーダンの作品はどのような物語を
描き出すか。1984年『狼の血族』や1994年『インタビュー・
ウィズ・ヴァンパイア』などファンタシー作品の実績もある
ジョーダンの新作には期待したいところだ。
        *         *
 1993年のデビュー作“Boxing Helena”ではいろいろ物議
を醸したジェニファー・チェンバース・リンチ監督が、東洋
の伝説に基づく新作“Nagin”の撮影を7月にインドで開始
すると発表した。
 この作品は、極東の蛇女の伝説に基づくということだが、
その蛇女は人間に化身するとのことで、どうやら中国の説話
『白蛇伝』の映画化のようだ。因に、この『白蛇伝』の映画
化では、1958年公開の東映動画のアニメーション作品が有名
だが、それ以前には1956年に円谷英二の特撮による東宝映画
『白夫人の妖恋』も製作されているものだ。
 その物語を、今回はリンチ監督がインドで撮影するとのこ
とで、まずどんな作品になるか楽しみなところだが、さらに
主演には、ミラ・ナイール監督の『その名にちなんで』や、
“Shantaram”にも出演予定のイルファン・カーンと、ジャ
ッキー・チェン主演の香港映画『神話(The Myth)』などに
も出ているマリカ・シュラワトという2人のインド人俳優が
起用されており、ハリウッドの監督とインド映画(ボリウッ

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06月15日(日)
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