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On the Production
by 井口健二
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■第154回
 また、会社側は当然提示された脚本を読んだ上で契約に臨
んでいる訳だが、その評価では、『ID4』以上にエキサイ
ティングなビッグアイデアだという意見も紹介されており、
ストライキ中に脚本に飢えていた映画会社には、格好のもの
だったとされていた。
 因に、ソニーとエメリッヒは、『Godzilla』と『パトリオ
ット』でもコラボレートしているが、実は『ID4』以前の
『スターゲイト』はMGM配給、さらにその前の『ユニバー
サル・ソリジャー』はコロムビア配給だったもので、その経
緯からも今回の契約は理解できるところだ。
        *         *
 一方、ワーナーからは2009年の夏向けにDCコミックスの
“Justice League of America”=JLAの映画化を進める
ことが発表されている。
 このJLAの映画化については以前から紹介しているが、
ジョージ・ミラー監督が進めていた計画では今年の始め頃に
キャスティングもほぼ決定したと伝えられた。しかし、脚本
家組合のストライキの影響で配役に合わせた脚本の改訂が不
能となり、その改訂作業の遅れから1度は製作の延期も発表
になった。
 ところが『紀元前1万年』を配給しているワーナーでは、
当初はエメリッヒ監督の次回作の配給権獲得も確実と考えて
いたようで、それが突然ソニーに浚われてしまったことで、
2009年夏の公開予定に穴が開く事態にもなりかかっていた。
その影響かどうかは不明だが、JLAの製作開始が急遽発表
されたものだ。
 因に配役では、フラッシュ役にテレビの“The O.C.”など
のエイダン・ブロディが扮する他、タリア・アルグール役に
『ディセンバー・ボーイズ』のテレサ・パルマー、グリーン
・ランラン役にラッパーのコモン、スーパーマンにD・J・
コトローナ、バットマンにアーミー・ハマー、ワンダーウー
マンにミーガン・ゲイルなどが報告されている。
 そして撮影は、オーストラリアとアメリカで行う計画で、
すでにオーストラリアのスタジオにはセットの準備も進んで
いるという情報も報告されている。
 ただしミラー監督の意見では、オーストラリアの行政府が
定めたハリウッド大作映画の製作の際に生じる国内映画製作
者支援のためのリベートの問題が解消されないとのことで、
このままでは製作費削減のためにカナダでの撮影も検討しな
ければならない事態になるとのことだ。
 実は、ミラー監督が母国オーストラリアでの撮影に拘わっ
ているのには、さらに次に製作予定の“Happy Feet 2”に向
けてオーストラリア映画人の再結集も目指しているもので、
その真意が伝えられないことに不満も抱えているようだ。し
かし製作が急がされれば、経済の原理が優先されることは仕
方がないもので、その前にミラー監督の真意が行政府に伝わ
るかどうか、事態は切迫しているものだ。
        *         *
 昨年11月の第146回で紹介した“My Sister's Keeper”に
ついて、ダコタ&エリ・ファニング姉妹の出演がキャンセル
され、エリに予定された主人公を、『リトル・ミス・サンシ
ャイン』のアビゲイル・ブレスリンが演じると発表された。
 因に、キャンセルの理由は、姉役のダコタが役柄上頭髪を
剃らなくてはならないことに抵抗し、エリもそれに同調した
とのことで、その姉役にはイライジャ・ウッド主演の“Day
Zero”などに出演したソフィア・ヴァシリーヴァが起用され
るようだ。撮影は3月に開始の予定。
 なおブレスリンは、コメディ作品の“Definitely,Maybe”
が2月14日に全米公開されたのに続いて、ジョディ・フォス
ターと共演の“Nim's Island”が4月4日公開、さらにタイ
トルロールを演じる“Kit Kittredge: An American Girl”
が7月2日の公開予定となっている。
 一方、エリ・ファニングは、サンダンス映画祭で上映され
た“Phoebe in Wonderland”が一般公開待機中の他、主演を
張った“Nutcracker: The Untold Story”と、デイヴィッド
・フィンチャー監督による“The Curious Case of Benjamin

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03月01日(土)
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