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On the Production
by 井口健二
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■ココシリ、奇跡の夏、ブギーマン、ハチミツとクローバー、ビースティ・ボーイズ、ダ・ヴィンチ・コード
る最高の陣容で実現した。さらに映画化には原作者自身も製
作総指揮で参加している。
物語は、パリ・ルーブル美術館館長が襲われた殺人事件を発
端に、その容疑を掛けられた主人公が、館長の孫娘と共に真
犯人を追って行く。そしてその過程で、ダ・ヴィンチの絵画
を巡り、キリスト教の根源に迫って行くというものだ。
直前にカンヌ映画祭のプレス試写でブーイングが湧いたとい
う情報が伝わり、かなり心配しながら見に行ったが、映画自
体はアクションと人間ドラマのバランスも良く、またテンポ
も良くて快適に見られた。
ただし、僕は読んでいないが、あれだけの大部の原作からす
ると、2時間30分の映画化ではかなりの省略はあるのだろう
し、原作の読者には不満が残るかも知れない。しかしそれは
映画化に時間制限がある以上は仕方の無いものだ。
一方、僕のような未読の人間には、物語はいろいろな状況説
明も判りやすく、アナグラムなどの謎解きの部分は、脚色、
監督でオスカーを受賞した『ビューティフル・マインド』を
思い出させる手法で、映像的に納得させるやり方がうまくで
きていた。
とは言うものの、「最後の晩餐」から現代に至るキリスト教
の歴史の説明には、特にその信者でない人間には難しい面は
ありそうだ。
幸い僕は、その直前にナショナル・ジオグラフィックの「ユ
ダの福音書」発見の記事を読んで予備知識を得ていたし、そ
の他のことでも最近の映画などで得た情報もあったから、そ
れなりの理解は出来たつもりだが、それがないとチンプンカ
ンプンかも知れない。
でも、基本的な物語は、映画では冒頭で明示される殺人事件
の真犯人捜しと、キリストが残した宝物捜しの謎解きである
わけだし、そう理解して気楽に見ればそれで良いようにも作
られている。
それに、キリスト教総本山バチカンが不快感を表明した、僕
らが知らなかったキリスト教の意外な面が明らかにされるの
も興味の沸くところだ。
なお、カンヌのプレス試写でブーイングが湧いたのは、web
版Varietyの解説によるとちょうどサッカーのヨーロッパ・
チャンピオンズ・リーグ決勝戦が重なったためだそうで、真
に受ける方が間違っているということだったようだ。
05月14日(日)
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