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On the Production
by 井口健二
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■第104回
この作品は、一昨年公開の“Cabin Fever”がスマッシュ
ヒットを記録したエリー・ロスの脚本監督によるものだが、
実は前作の後、ロスの許にはハリウッド各社からホラーは勿
論、コメディから一般ドラマのシナリオまで届いたそうだ。
しかしどの作品も彼の気に入るものはなく、そんな時にクェ
ンティン・タランティーノと出会ったロスは、タランティー
ノから「自分でやらなければ駄目だ」という意見をもらい、
作り上げたのが“Hostel”の脚本だった。
そしてこの作品は、タランティーノの製作総指揮の許で映
画化されたものだが、配給を担当したライオンズゲイトとソ
ニー傘下のスクリーン・ジェムズでは、昨年の『ソウ2』の
ヒットに習って早急に続編を作ることを要望。今回はロスも
それに応えて続編に取り掛っているようだ。ただし、タラン
ティーノが続編も製作総指揮を担当するかは不明のようだ。
またロスは、“Cabin Fever”の続編についてもすでに10
ページの概要を書き上げているということだが、この続編に
ついては、前作同様メインプロットは人食いの話になるもの
の、人語を喋るアニメーションの鳥が登場し、歌も歌うとい
うことだ。従って“Cabin Fever 2”というよりは、1946年
ディズニー製作のアニメーション+実写作品『南部の歌』の
ような作品になるということだが、メインプロットがあれで
は、ディズニー作品のようにはなりそうにない。
* *
続編の話題、最後は続報で2005年4月1日付第84回で紹介
した“Butterfly Effect 2”が1月12日に撮影開始された。
この続編では、以前に紹介したように出演者は一新され、
今回の主演は、テレビの“Smallville”に出ているエリカ・
デュランスと“The L Word”のエリック・リヴィリー、それ
に“In the Land of Women”のダスティン・ミリガンとなっ
ている。ただしお話は、前作と同じく自分に備わるタイムト
ラヴェルの能力を発見した人物に関するもので、前回の情報
によれば、「バタフライ効果は、新たな段階を迎えている」
そうだ。マイクル・ウェイスの脚本を、ジョン・レオネッテ
ィが監督する。
一方、この続編に関連して、製作のニューラインからは、
テレビシリーズ化の計画も報告されている。このテレビシリ
ーズの製作はNBCユニヴァーサルが行うもので、放送はア
メリカのSci-Fiチャンネル。2007年に放送開始の予定という
ことだ。そしてこのテレビシリーズでは、アシュトン・カッ
チャーの出演は予定されていないものの、物語は第1作の続
きになるということで、代役の俳優が演じる主人公は、未だ
に理想の未来を求めて過去との行き来を続けているという展
開になるようだ。
* *
後半はヨーロッパ発の話題を2本紹介しておこう。
まずはスペイン発の話題で、イカー・モンフォートという
32歳のプロデューサーから、フランスのプロダクションとの
共同製作で“El ojo descarnado”と題されたSFスリラー
の計画が発表されている。
映画の物語は、スペインの企業家がタイに旅行に行き、そ
こでの乱痴気騒ぎの末に片目を失ってしまう。しかしそのま
ま帰国した彼は、ある日、自分が異常なものを見ていること
に気づく。それは、タイに残してきた目が見ているものだっ
た…というもの。SFと言うよりは、奇妙な味の作品という
感じだが、スペイン映画には、時々こういう奇妙な味の作品
が登場するようだ。
そしてこの映画の主演には、アレハンドロ・アメナーバル
監督の『オープン・ユア・アイズ』などに出演したエデュア
ルド・ノリエガとフェレ・マルティネスの再共演が予定され
ているということで、これは絶妙な配役と言えそうだ。また
監督は、チリ出身のジオダノ・ゲデリーニ。因にゲデリーニ
監督は2002年にフランスで“Samourai”と題されたカンフー
・コメディを撮った経歴があるということだが、コメディの
監督がこのような作品とは、相性は良いのだろうか。
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02月01日(水)
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