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On the Production
by 井口健二
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■第52回
しには、他社での計画への参加ができなかった。     
 しかし最終的にミラマックスを加えた3社の共同制作とす
ることで合意がなされたということで、これでマーシャル監
督での製作が可能になったものだ。なお、準備はすべて再ス
タートされることになるようだが、果たして台詞は英語なの
だろうか。                      
 因に、ミラマックスとコロムビアの間では、ラッセ・ハル
ストローム監督の『シッピング・ニュース』とビリー・ボブ
・ソーントーン監督の『すべての美しい馬』が、今回と同様
の契約のために共同製作され、ミラマックスとドリームワー
クスの間でもジョン・マッデン監督の新作“Tulip Fever”
が同様の理由で共同製作されているそうだ。       
        *         *        
 お次はファンには待望の情報で、1978年にセンセーション
となった“Dawn of the Dead”(ゾンビ)などのジョージ・
A・ロメロが、ゾンビテーマのミュージカル映画を監督する
ことが発表された。                  
 この計画は、1973年に初演され1975年に映画化もされたロ
ックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』の作曲家リ
チャード・ハートレイの計画にロメロが参加するもので、題
名は“Diamond Dead”。ロメロは作詞家のブライアン・クー
パーが執筆したオリジナル脚本のリライトと監督を勤めるこ
とになっている。                   
 お話は、女性シンガーが自分以外は全部男性の1980年代ス
タイルのロックバンドを結成。自分の音楽を始めようとした
矢先にバンドのメンバーが交通事故で全滅してしまう。そこ
で彼女は死神と取り引きし、彼らを連れ戻すのだが、彼らは
ゾンビになっていた。それでも彼女は自分の音楽を追求して
行くというもの。ロメロはオリジナル脚本の死者に対する考
え方と、盛り込まれたユーモアに共感したと参加の理由を語
っているそうだ。                   
 一方、1968年の“Night of the Living Dead”、1978年の
『ゾンビ』、そして1985年の“Day of the Dead”に続く、
本家のゾンビシリーズの第4作もフォックスサーチライトで
準備中だが、この計画では映画の題名を巡って揉めていると
いう噂があるようだ。                 
 因に、この計画では、当初予定されていた題名は、“Dead
Reckoning”というものだったが、これを統一性を持たせた
“Land of the Dead”に変更したいとするロメロ側の申し入
れに映画会社が難色を示しているそうで、この辺のごたごた
も今回のミュージカル映画の根底にあるのかもしれない。 
 それにしてもこのシリーズは、まだ“Dusk of the Dead”
ではないようだ。                   
        *         *        
 続いては、トニー・スコット監督が12年間温めて来た大型
西部劇“Tom Mix and Pancho Villa”が、『T3』のインタ
ーメディアの製作とメキシコ政府の協力で実現されることに
なりそうだ。                       
 この計画は、クリフォード・アーヴィングの同名の原作を
映画化するもので、物語は1910年代から1935年まで活躍した
映画スターのトム・ミックスが、映画界を去った後にメキシ
コ革命に加わり、革命の英雄パンチョ・ヴィラと共に活躍し
たというもの。ドイツ製の戦闘機やタンクで攻撃してくる政
府軍に対して、ミックスは様々なアイデアを駆使した奇襲で
反撃を繰り返したということだ。そして映画では生い立ちの
違う2人の男が築き上げた深い友情も描くとされている。 
 なおスコットは、過去に2作品をメキシコで撮影したこと
から、先日メキシコ大統領府に招かれ、その席で大統領に夢
を語って賛同を得たということだ。           
 因にメキシコの映画事情は、過去に『007』なども撮影

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12月01日(月)
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