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On the Production
by 井口健二
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■第1回+スポット、ジェヴォーダンの獣、6週間、ハートブレイカー、うつくしい人生、カラー・オブ・ペイン
が縦横に描かれ、これらが子供にも判るように実に上手く整
理されていて、最後に一気に大団円を迎えるところはお見事
という感じがした。ハリウッド映画はこういう作品にも決し
て手を抜かないところが素晴らしい。
なお日本語吹き替えはないが、字幕は小学校3年生が読める
ように配慮されている。しかし大人が読んでも別に違和感は
なかった。因に『ポケモン』関係の台詞は、アメリカの配給
が同じワーナーなので原語もその通りになっている。
『ジェヴォーダンの獣』“Le Pacte des Loups”
1764年〜67年に、革命前のフランスを震撼させた謎の事件を
描いた異色サスペンス。
フランス中南部の辺境地ジェヴォーダンで100人以上が殺
戮される事件が起きる。国王ルイ15世はその調査のために若
い自然科学者を送り込む。しかし殺戮は収まらず、ついに国
王の命を受けた兵士たちによる野獣退治が行われたが…。
物語は実話に基づくそうだが、実話では謎のままとなった野
獣の正体がこの映画では明かされている。その正体自体はジ
ム・ヘンソン・クリーチャー・ショップが手掛けていて、見
た目はあれあれという感じもするが、その背景にちょっと捻
りがあって面白かった。
登場人物の一人がインディアンだったりして物語の膨らみが
面白い。東洋的な要素を取り入れた格闘アクションの出来も
なかなかで、これが長編第2作のクリストフ・ガンズ監督は
今後も楽しみになりそうだ。
それから出演者の中では、娼婦役のモニカ・ベルッチが『マ
レーナ』とは違った信念を内に秘めた女性の役柄で、カメラ
映えもし素晴らしかった。
『6週間』
アイドルタレントの新山千春の主演で、俳優の塩谷俊が初監
督した青春映画。新山は今年の『ゴジラ』の主演でもあるの
で、その興味もあって見に行った。
物語は、ハリウッド映画のオーディションが6週間に亙って
行われるという設定で、そこに集まった若者たちの青春群像
が描かれる。そのオーディションのやり方がかなりユニーク
だが、塩谷は俳優養成所も主宰していて、そこでの経験を元
に映画化したものだそうだ。
まあ、取り立ててどうこうと言うような作品ではないが、出
演者も含めてそれなりに熱心に作られている点は好感が持て
た。
ただし、この作品はヴィデオで撮影されているが、機材は通
常のディジタルカメラ(DVCPRO)が使われていて画質はかな
り荒い。製作はビクターエンターテインメントということだ
が、すでにHD 24pの実績が評価されているこの時期に、これ
はちょっと情けない感じがした。
『ハートブレイカー』“Heart Breakers”
シガニー・ウィーヴァーとジェニファー・ラヴ・ヒューイッ
トが母子の結婚詐欺師を演じるコメディ。
母親は男性の不倫にかこつけた慰謝料詐欺を続けてきたが、
娘は若さを武器にした結婚詐欺で独立しようとしている。そ
して2人は最後の共同作戦を、ジーン・ハックマン扮するヘ
ヴィスモーカーの大金持ちの老人相手に仕掛けるが…。
これにレイ・リオッタやアン・バンクロフトが絡むという豪
華版だ。
まあ細かいことはいろいろあると思うけれど、取り敢えず見
ている間は面白くて楽しい。そういう映画ということでよろ
しいのではないでしょうか。
それからラヴ・ヒューイットは、どことなく榎本加奈子に似
た風貌で、それが榎本と同じような演技をするところが可笑
しかった。
『うつくしい人生』“C'est Quoi la Vie?”
主人公はフランスの田園地帯で酪農を営む一家の一人息子。
狂牛病騒動の煽りで牛乳の出荷が滞り、一家は財政困難に陥
っている。そして遂に1頭が狂牛病に認定され、飼っていた
全牛に対する処分の命令書が届いた日、父親が自殺する。
ちょうど日本でもその騒動の最中にこういう映画を見ている
と、どうしてもそっちに目が行ってしまうが、物語はそんな
最悪の事態の中から若者が立ち直って行く姿を描いている。
といっても後半は話が上手く行き過ぎて、ちょっと甘い感じ
もするが、まあ一種のメルヘンということで、心暖まる映画
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10月22日(月)
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