ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459550hit]

■終点のあの子、みんな、おしゃべり!、ボディビルダー、ベ・ラ・ミ 気になるあなた
掛けられ、体外受精での子作りが提案される。
ところが付き合っていた男性はその面談の状況が不満で席を
立つ、そこに主人公が通り掛かり2人はサウナなどで愛を交
わすようになるが…。そんな男たちの姿がコメディタッチで
描かれる。
出演はゲン・ジュン監督作品の常連とされるシュー・ガン、
ジャン・ジーヨン、シュエ・バオホー。他にワン・ズーシン、
チェン・シュエンユ、ワン・チンらが脇を固めている。
中国では1997年に同性愛は違法でなくなったそうだが、現実
は今も規制の対象とされ、本作も本国では上映不可能な状態
だそうだ。そんな作品は台湾金馬奨に出品されて主演男優、
撮影、編集、観客の4冠に輝いている。
という作品だが、正直に言ってノンケの自分にはなかなか判
り難い作品だ。とは言うもののまあそんなものかなあという
感じには理解出来たもので、その意味では良くできた作品な
のだろう。でもまあそっちに走ろうとは思わないが。
映画祭などでの出品国はフランス・ポルトガルとなっていて
中国映画とはされていない。一方、映画の中の台詞は中国語
と英語で、中々複雑な作品だ。でもこれが中国映画の現状な
のだろう。
そんな作品の原題となる“Bel Ami” はフランスの文豪ギ・
ド・モーパッサンが1885年に発表した長編小説の題名だが、
元は美貌の青年が上流社会のマダムたちを渡り歩くという話
で、それがこうなるとは文豪も驚きだろう。
でも「麗しの友」という意味合いは本作でも当ってはいる。
そんな友の周りを主人公たちは彷徨っているものだ。それは
COVID-19禍以降の希薄になりかかった人間関係への警鐘でも
ある訳で、そんな監督の意図は明確に表現されていた。
公開は11月15日より、東京地区は渋谷ユーロスペース他にて
全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社パンドラの招待で試写を観て投
稿するものです。

10月19日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る