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On the Production
by 井口健二
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■パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー、エクソシスト信じる者、最悪な子どもたち、フジヤマコットントン
にある通所の障碍者施設・みらいファーム。そこでは障碍を
持つ人たちが花作りや稲作、綿花の栽培から機織りなど様々
な作業に従事している。
そんなみらいファームの日常を1年を掛けて記録したドキュ
メンタリー。そこには現代人が忘れてしまった本来の人間の
生き方がある様にも感じるし、この生き方を何とか現代社会
の中に活かしたいという気持ちにもさせられる。
それはもちろん理想論でしかないのだし、これを維持するた
めの運営側の困難などは多数あるのだろうけど、何か目標と
してこんなものがあってもいいのかなあと思えるほどの素敵
な映像が繰り出されていた。
構成・プロデューサーは2022年5月紹介『ゆめパのじかん』
などの大澤一生、編集も『ゆめパのじかん』などの辻井潔。
撮影には『ひいくんのあるく町』も担当した山野目光政と、
NHKの番組などを担当し劇場作品は初めての野村真衣菜が
加わっている。
監督の前作では、自らが Uber Eatsの配達員となって東京中
を走り回る中での対人関係の闇のようなものが描かれたそう
だが、本作はある意味その対極の作品と言える。監督自身が
それを欲したのかな。
実は先週の『マイ・ファミリー自閉症の僕のひとり立ち』の
記事を書いているときにはすでに本作を観ていたのだが、何
かいろいろな意味で先週の作品が出した問題の回答がここに
あるようにも感じてしまった。
もちろん国情の違いなどはあるのだが、これが日本の回答と
言えるのなら、それは素晴らしいとも思えたものだ。正直に
言って日本も捨てたものではないとも思えてきた。ただし本
作でも言及される植松死刑囚の問題などはあるのだが。
それにしても素敵な笑顔が満載の作品で、この笑顔がいつま
でも続くものであって欲しい。そんなことも考えてしまう作
品だった。
公開は2024年初春、東京地区はポレポレ東中野他にて全国順
次ロードショウとなる。
10月29日(日)
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