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On the Production
by 井口健二
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■なんのちゃん(レ・ミゼ、在りし日の、ちむぐりさ、山の焚、衝動、子どもたちを、キスカム、馬三家、パラダイス・L、高津川、グリーン・L)
渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)

『衝動 世界で唯一のダンサオーラ』“Impulso”
(ダンサーとバイラオーラ(女性フラメンコダンサー)とを合
わせた造語ダンサオーラを自称するスペインの天才ダンサー
・振付師ロシオ・モリーナが、フランス国立シャイヨー劇場
での公演に向けたリハーサルなどの日々を追ったドキュメン
タリー。26歳で最高の栄誉と言われる「スペイン舞踏家賞」
を受賞した女性ダンサーは、情熱的な激しい踊りと、フラメ
ンコの範疇に収まり切れない独創的な振り付けで観客を魅了
する。その踊りの本編は別のコンテンツになるものだが、そ
の合間などに見せる素顔がまた素晴らしく、そして本編を想
像させるダンスの端々だけでも充分に堪能できる作品だ。ま
あこれを前回題名紹介した日本の男性の踊りなどとは比較す
るのも失礼だろう。さらに本作では2018年6月17日題名紹介
『ラ・チャナ』の出演シーンもあって、椅子に座ったまま共
演するその健在ぶりも嬉しく感じられた。公開は3月13日よ
り、東京は築地東劇他で全国順次ロードショウ。)

『子どもたちをよろしく』
(元文部省の官僚2人が企画したという中学生の貧困や苛め
を扱った作品。先に登場するのはデリヘル嬢。実母と義父、
それに義父の連れ子で中学生の弟と4人暮らしだが、義父は
暴力を振るい実母はそれを見ぬ振りしている。そして弟には
女子が中心のグループがあり、彼らは通学路に住む父子家庭
の同級生を苛めていた。ところがその父親がデリヘルの運転
手と判り、弟はそのデリヘル嬢が義姉であることに気付く。
出演者には鎌滝えり、杉田雷麟、椿三期らの若手が揃い、他
に川瀬陽太、村上淳、有森也実らが脇を固めている。脚本と
監督は2007年『ワルボロ』などの隅田靖。まあ所詮は役人の
妄想なのだろうけど苛めの手口なども古臭くて、2020年1月
紹介『ひとくず』などとは違うレヴェルの作品だった。とは
言え最後に義姉が採る行動には唖然としたが…。公開は2月
22日からロケ地の群馬県で先行上映の後、東京では2月29日
から渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)

『キスカム! COME ON, KISS ME AGAIN!』
(前回題名紹介『踊ってミタ』に続いての映像コンテンツを
題材にした作品。主人公はカリスマ女CEOのいる化粧品会社
の宣伝企画担当者。しかし新商品の宣伝企画のプレゼンに失
敗し、CEOから恋愛コンサルタントの子会社に出向を命じら
れてしまう。そこは不仲になった男女のよりを戻す仕事をし
ていたが…。恋愛に積極的でない男性が、全てに積極的な女
性との恋愛に目覚めて行く姿が描かれる。出演は2019年12月
22日題名紹介『サヨナラまでの30分』などの葉山奨之。ヒロ
イン役は「CanCan」専属モデルの堀田茜。他に「ViVi」専属
モデルの八木アリサ。さらに塚本高史、森口瑤子、徳井義実
らが脇を固めている。監督は2014年にNPO法人映画甲子園主
催eiga worldcupで最優秀作品賞を受賞した松本花奈。脚本
をテレビで企画や脚本を手掛けるリンリン、脚本監修を漫才
師の山崎ケイが担当している。公開は4月3日より、東京は
新宿バルト9他で全国順次ロードショウ。)

『馬三家からの手紙』“Letter from Masanjia”
(中国各地に所在し政府に反対する者の再教育を行う収容施
設。その一つで造られたハロウィンの飾り物がアメリカのオ
レゴン州で販売される。しかしその飾り物の裏には8000km離
れた馬三家労働教養所で書かれた人権迫害を訴える手紙が隠
されていた。その手紙を発見した主婦がそれをマスコミに公
表したことから世界の言論が動き、批判に晒された北京政府
はついに労働教養所制度の廃止を宣言するが…。製作と監督
は、2014年に中国の臓器売買を扱った“Human Harvest”を
発表しているカナダ在住のレオン・リー。中国の人権問題を
追求し続けてきたドキュメンタリー作家の渾身の作品だ。作
品では制度廃止後に釈放された手紙の主・孫穀を中心に、彼
自身の中国国内での活動の様子なども描かれる。しかし中国

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02月02日(日)
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