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On the Production
by 井口健二
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■Fukushima 50(燃えよスーリヤ、山中静夫氏、グリンゴ、マザーレス・B、私の知らない、エスケープ・R、グッドライアー、娘は戦場で、帰郷)
・スティーヴンスらが脇を固めている。原作では1990年代が
舞台だったようだが、映画は1957年を時代背景として見事な
ノワアール劇が展開される。公開は2020年1月10日より、全
国ロードショウ。)
『私の知らないわたしの素顔』“Celle que vous croyez”
(2018年11月4日付「東京国際映画祭」で紹介『ノン・フィ
クション』(劇場公開名:冬時間のパリ)などのジュリエット
・ビノシュがWEB上のヴァーチャル恋愛に嵌って行く大学
教授を演じるサスペンス作品。主人公は50代の女性教授。し
かし年下の恋人から振られた日にSNS上に24歳の架空の人
格をエントリーし、その人格で自分を振った恋人の友人を誘
い込む。今年の東京国際映画祭にも似たテーマの『動物だけ
が知っている』が出品されたが、この作品もフランス映画で
しかもどちらもかなり手の込んだ構成で驚かされた。特に本
作のトリッキーさでは掟破りの感じもするが、SNSの闇に
挑むとしたらこれくらいは許されるかな? 正しくニヤリと
する作品だった。1957年生まれのフランスの女流作家カミー
ユ・ロランスの原作から、1968年生まれのサフィー・ネブー
が脚色、監督した。公開は2020年1月17日より、東京は渋谷
Bunkamura ル・シネマ他で全国順次ロードショウ。)
『エスケープ・ルーム』“Escape Room”
(2019年2月紹介『ハンターキラー潜航せよ』などのニール
・H・モリッツの製作、2011年7月紹介『デビルクエスト』
の脚本を手掛けたブラギ・シャットの原案・脚本、『インシ
ディアス』シリーズ第4作の監督や『パラノーマル・アクテ
ィビティ5』の脚本などを手掛けたアダム・ロビテルの監督
で、リアルサイズの脱出ゲームに参加した男女を描く作品。
それはシカゴに建つビルの中で生き延びれば1万ドルの賞金
が得られるというものだったが…。出演はテイラー・ラッセ
ル、ローガン・ミラー、デボラ・アン・ウォール他、いずれ
も出演作2、3本の新人が集っている。この手の作品も雨後
の筍のように登場するが、それぞれのステージのアイデアが
勝負かな。本作ではそこに各自の過去の経緯などが絡むが、
その辺をもう少し描き込めばもっと深みが増すような感じも
したものだ。公開は2020年2月28日より、東京はヒューマン
トラストシネマ渋谷他で全国ロードショウ。)
『グッドライアー 偽りのゲーム』“The Good Liar”
(ヘレン・ミレンとイアン・マッケランの共演で、夫を亡く
した資産家の老婦人と、その資産を狙う冷酷な詐欺師が繰り
広げる虚々実々の攻防を描くミステリー作品。そんな2人は
出会い系サイトを通じて知り合うが…。タイトルなどからは
よくある詐欺師物かなあと思って観始めたが、後半は予想外
の展開で心底驚かされた。物語はニコラス・サールが2015年
に発表した小説に基づくが、日本人には多少なじみの薄い展
開ではあるものの、映画はその背景などを丁寧に紹介して判
り易く明快に物語を描き切っている。脚本は2006年3月紹介
『カサノバ』(ラッセ・ハルストレイム監督)などを手掛けた
ジェフリー・ハッチャー。監督は2003年2月紹介『シカゴ』
や、2017年3月19日題名紹介『美女と野獣』などのビル・コ
ンドンが担当した。時系列が多少微妙な感じはしたが、歴史
を背景にした堂々たる作品だ。公開は2020年2月7日より、
東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)
『娘は戦場で生まれた』“For Sama”
(2011年から続く内戦の下、政府軍による包囲が続くシリア
北部の都市アレッポで医療機関を守り最後まで現地に残った
医師とジャーナリストの妻、その夫妻の許、戦火の中で誕生
し希望を込めて「空(Sama)」と名付けられた赤ん坊を映した
ドキュメンタリー。2018年3月4日題名紹介『ラッカは静か
に虐殺されている』やその他の作品でも思ったが、人はなぜ
このような場所に暮らそうとするのか…、という疑問は常に
感じる。ただ本作の場合は夫が医師だという状況はあるもの
だが、中に登場する少年の発言がその答えを明確にしてくれ
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12月15日(日)
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