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On the Production
by 井口健二
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■ラスト・C、37セカ(母との、ロニートとE、ぼくらの、男と女、イーディ、ビッグ・LF、PMC、さよならTV、転がるB、ソン・L、ミッドS、前田)
(1988年に当時15歳の宮沢りえ初主演で話題になった宗田理
原作・実写作品のアニメーションによるリメイク。オリジナ
ルと同様に親や学校の支配に反発する子供たちが廃工場に立
て籠もり、大人たちと対決する。原作には数10篇の続編があ
るようだが、映画化の続編は1作のみ。それは恐らくは前作
を凌駕するような物語の展開を生み出せなかったというとこ
ろかな? その点で本作は物語をリセットし、さらにSNS
などの当時はなかった要素を織り込むことで、戦車を出さな
くてもどちらかというとリアルなタッチで楽しめる作品に仕
上げている。特に廃坑となった石炭工場という舞台設定は、
いろいろな思いも込められている感じで良い展開だった。声
優は北村匠、芳根京子。それに宮沢りえがファンにはうれし
い役柄で登場する。監督はテレビで『ドラゴンボール超』の
絵コンテなどを担当した村野佑太の劇場デビュー作。公開は
12月13日より、全国ロードショウ。)

『男と女 人生最良の日々』
         “Les Plus belles années d'une vie”
(2019年6月9日付「フランス映画祭2019」で紹介の作品が
劇場公開となり、再度試写を鑑賞した。前回の時は予備知識
を入れずに観ていたもので、それをいろいろな状況を知った
上で観直すと内容の理解も深まるものだ。特に後半挿入され
る『ランデヴー』(邦題)の映像は、パリ市内の名所を巡って
モンマルトルまでの道のりが手に取るように理解でき、本当
に素晴らしかった。そして主人公2人の生き様も、知識を入
れて観ると新たな感慨にも浸れる。正直に言って僕は1966年
の第1作を中学生の時にロードショウで観ているもので、そ
んな自分自身のことにも思いが及んだ。因に2019年10月6日
題名紹介『男はつらいよ お帰り 寅さん』のプレス資料で山
田監督は「50年間も同じ配役で作った監督はいないだろう」
とコメントしていたが、本作は53年目。1987年の『U』もあ
るからシリーズの要件も満たしているものだ。本作の公開は
2020年1月31日より、全国ロードショウ。)

『イーディ、83歳 はじめての山登り』“Edie”
(痴呆症の夫の介護をようやく終えた高齢女性が、父親との
果たせなかった夢を追ってスコットランド高地にあるスイル
ヴェン山に挑戦する。実話に基づく作品だが、映画は主人公
の危機に謎の狩人が登場したり、かなり脚色されているよう
だ。出演は2009年5月紹介『縞模様のパジャマの少年』など
のシーラ・ハンコック。1933年生まれの女優が2017年製作の
本作の主人公に挑戦した。他に2016年11月紹介『ファンタス
ティック・ビースト』などのケヴィン・ガスリーらが脇を固
めている。監督は2009年12月紹介『ミュータント・クロニク
ルズ』などのサイモン・ハンター。旅の出発点がインヴァネ
スで、50年ほど前にネス湖観光のため同じ駅に降り立った自
分には変わっていない印象が嬉しかった。僕も周遊のバスに
乗り遅れて往生したが、地元の人に助けられて観光もできた
ものだ。公開は2020年1月、東京はシネスイッチ銀座他にて
全国順次ロードショウ。)

『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
              “The Biggest Little Farm”
(アニマルプラネットなどのテレビ番組の製作者、監督とし
て数多くの作品を手掛けてきたジョン・チェスターが、料理
研究家の妻と愛犬のためにロサンゼルスから北に車で1時間
ほどの場所に、東京ドーム17個分に相当する土地を購入。そ
こで理想のオーガニック農園を作り上げて行く8年間を記録
したドキュメンタリー。元はと言えば殺処分寸前の犬を保護
したことに始まり、その犬の吠え声のために都心のアパート
を追い出され、やむなく郊外に居を構えることになる。そこ
は元はリンゴ園ですでに廃園となっていたのだが、その場所
に自然との共存を目指す新たな思想に基く農園が作られて行
く。それは家畜を襲うコヨーテまでもが共存のサークルに取
り込まれた究極の農園。過去には遺伝子組み換えや大量の農

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12月02日(月)
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