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On the Production
by 井口健二
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■イエスタデイ、ロボット2.0(人生をしまう、つつんでひらいて、銀河英雄伝説第一章、毒戦BELIEVER、3人の信長、台風家族、いつかのふたり)
公開は今秋、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム他
で全国順次ロードショウ。)

『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章』
(田中芳樹が1982年から87年までに発表した全10巻からなる
SFシリーズのアニメ化。すでに1988年から2000年にかけて
OVAシリーズなどで映像化されていた作品が、2018年から
テレビシリーズとして新規製作され、第1シーズン全12話に
続く第2シーズンが4話ずつ3章に分けて劇場公開される。
という経緯の作品だが、第一章とされた映画の始まりがいき
なり第13話というのはかなり面食らった。しかも物語は戦闘
シーンの途中からで、第1シーズンを観ていない者にはハー
ドルが高い。でもまあ原作やアニメのファン向けということ
ではこれでOKなのだろうな。しかも本章の物語は、帝国の
皇帝が急死して内紛が始まる辺りからだから、ここから後の
展開は面白そうだ。製作は2012年2月紹介『ももへの手紙』
などのProduction I.G. なお残る2章も後日紹介できる予定
だ。劇場公開は9月27日より、東京は新宿ピカデリーの他、
全国35館にて3週間限定ロードショウ。)

『毒戦 BELIEVER』“독전”
(2012年にジョニー・トーが監督した香港映画『ドラッグ・
ウォー 毒戦』の韓国版リメイク。巨大麻薬組織のボスの座
に君臨する“イ先生”。警察は組織壊滅のためにそのボスを
追っていた。しかし本名も素顔も組織の上層部の人間でさえ
知る者はいなかった。そんな折、麻薬精製工場が爆破され、
そこに集まった幹部の多くが殺される中、中国との連絡役の
男が救出される。そこで警察は組織から排除されそこなった
男に協力させ、中国のバイヤー向けと韓国の組織向け、二重
の舞台を使ったトリックでボスのおびき出しを図るが…。出
演は2017年2月5日題名紹介『お嬢さん』などのチョ・ジヌン
と、2018年3月紹介『タクシー運転手 約束は海を越えて』
などのリュ・ジョンヨル。脚本を『お嬢さん』などのチョン
・ソギョンが手掛け、2015年『京城学校 消えた少女たち』
などのイ・ヘヨンが監督した。公開は10月4日より、東京は
シネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)

『台風家族』
(2013年5月紹介『箱入り息子の恋』などの市井昌秀オリジ
ナル脚本、監督による作品。映画の始まりは老年カップルに
よる銀行強盗。2000万円を奪い金ピカの霊柩車で逃走する。
それから10年、犯人の住まいだった家に子供たちが集まって
くる。犯行後は行方不明だった両親の法的死亡が認められ、
形式的な葬儀を行って財産分与をしようというのだ。そして
葬儀も済み、現れない末弟を除く3人で話し合いが始まる。
しかし長く疎遠だった兄弟の間にはいろいろな思惑が生じて
いた。疑心暗鬼が渦巻く中でそれぞれが抱える事情も明らか
になって行く。出演は草K剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千
子。他に若葉竜也、相島一之、榊原るみ、藤竜也らが脇を固
めている。自分も両親が亡くなった時にはいろいろあったか
ら、本作には正にあるあるな感じで観ながらかなり笑わせて
もらった。公開は9月6日より、東京はTOHOシネマズ日比谷
他で全国ロードショウ。)

『いつかのふたり』
(2017年7月23日題名紹介の黒沢清監督『散歩する侵略者』
や瀬々敬久監督作品などで助監督を務めてきた長尾元のオリ
ジナル脚本による監督デビュー作。離婚した母親と共に東京
で暮らす女子高生が、卒業を前に小説家を志して大阪に住む
作家を訪ねる。そして作家も書生として受け入れることを認
めるが…。娘は母親を1人残して行くことが心配になり、母
親も娘と一緒に大阪に行くべきか迷う。そんな親離れ子離れ
の出来ない母娘の物語。出演は2019年3月31日題名紹介『小
さな恋のうた』などの中島ひろ子と、2017年『チア☆ダン』
などの南乃彩希。他に仁科貴、田中隆三、霧島れいか、岡田
義徳らが脇を固めている。監督の言いたいことは理解する。
しかしだから何なのという辺りで共感が持てない。僕自身は

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08月11日(日)
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