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On the Production
by 井口健二
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■センターライン、レプリカズ、ホモソーシャルD(マルリナ、バースデー・W、レゴムービー2、山懐に抱かれて、WE ARE LITTLE Z、リトル・F)
リス・ダーバル、皆木正純、吉澤慎吾。各人の経歴等は未詳
だが、試写会に訪れていた主演の新宅は大阪出身のコンテン
ポラリーダンサーとのことだ。
公開は3月30日より、東京は池袋のシネマ・ロサにて一週間
限定のレイトショウとなる。
なお今回の上映では、同じく東海林毅監督の作品で、上記の
『老ナルキソス』(ゲイでナルシストの老絵本画家と若い男
娼とのラヴストーリー)
『ピンぼけシティライツ』(何故か呪われているらしい落ち
ぶれたカメラマンと水着の女性幽霊の物語)
『23:60』(ゲームの中でのアバター同士の会話劇。プ
レーヤーがいなくなった世界の情景が描かれる)の3作品が
併映される。
上映される4本はいずれもファンタスティックな雰囲気のあ
るものでそれぞれ興味深かったが、併映の3作品は少しマニ
アックかな? それに比べると今回の作品は一皮剥けている
感じもする。
特に併映で紹介した最後の作品に関しては、単なる寂寥感に
終わらせず、ログオフしたプレーヤーが再び戻ってくるとこ
ろまで描けば、よりテーマが明確になったのではないかとも
思った。

この週は他に
『マルリナの明日』
       “Marlina si Pembunuh dalam Empat Babak”
(2017年「東京フィルメックス」で最優秀作品賞を受賞した
インドネシア作品。自動車や携帯電話もあるが、西部劇を髣
髴させる背景の中で、夫の死後に強盗団に襲われた女性の壮
絶な復讐劇が展開される。主人公は一味の食事に毒を盛り、
身の潔白の証に自分を強姦した首領の首を警察に届けようと
するが…。その旅程で出会う人々や後を追う残党の様子など
も絡めて、ロードムーヴィ風の物語が展開される。監督は本
作が3作目の女性監督モーリー・スリヤ。出演は2014年『ザ
・レイドGOKUDO』などのマーシャ・ティモシーと、新人のパ
ネンドラ・ララサティ。他に2015年の東京国際映画祭で上映
『民族の師 チョクロアミノト』などのエギ・フェドリー。
部屋の隅に置かれた亡夫のミイラなどの尋常でない造形と、
歩いてきた男の首を一撃で断ち落とすなどの見事なVFXが
巧みに融合された作品だ。公開は5月中旬より、東京は渋谷
ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)

『バースデー・ワンダーランド』
(2013年5月紹介『はじまりのみち』では実写作品にも挑戦
したアニメーション監督の原恵一が、『千と千尋の神隠し』
の基になったとされる「霧のむこうのふしぎな町」の作者・
柏葉幸子の原作「地下室からの不思議な旅」をアニメ化した
作品。誕生日の前日、母の指示で自分へのプレゼントを取り
に叔母の家に向った主人公は、突然地下室から現れた錬金術
師を名告る男に異世界へと連れて行かれる。そこでは過去に
主人公に似た少女が世界を救ったという言い伝えが残されて
いたが…。声優は松岡茉優、杏、麻生久美子、市村正親と、
人気声優の東山奈央。他に『クレヨンしんちゃん』の藤原啓
治、矢島晶子らが脇を固めている。ジャンルは異世界ファン
タシーとなるもので、その異世界の設定などには自由度が高
いはずだが、本作の場合はユニークではあるが比較的オーソ
ドックスな背景づくりで、それには観ていて落ち着くものが
あった。公開は4月26日より、全国ロードショウ。)

『レゴ®ムービー2』
         “The Lego Movie 2: The Second Part”
(2014年2月紹介『LEGOムービー』の第2作。前作では「お
しごと大王」に立ち向かった平凡キャラのエメットが、今回
は「わがまま女王」による破滅から世界を救う。敵役の名称
から物語の展開は予想がついてしまうが、今回は前作にも増
したディザスターの様子がレゴで克明に描写される。そして
実写シーンに登場するジオラマも見事な景観を描いていた。
脚本は、前作の脚本と監督を務めたフィル・ロードとクリス
トファー・ミラー。監督には2010年『シュレック フォーエ
バー』などのマイク・ミッチェルが起用されている。声優は
前作に引き続いてのクリス・プラット、エリザベス・バンク

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03月03日(日)
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